コーナー内検索

カテゴリ
この一年間
コメントありがとう
ぶろぐん+
POWERED BY
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
リンクなど

すくら動物園
 (す)はときどき、前の晩には元気だったのに、朝になって出かける頃になると、急に頭痛を訴えることがあります。
 熱はないけれど、目がトロンとして、確かに調子が悪そう。けれど保育所を休んで自宅療養させることにすると、急に元気になったりする。もしかしたら精神的に、何か抱えているものがあるのかもしれません。表情を見ても、きっと、頭痛を感じていることは、嘘ではないのだとは思うのですが。

 (う)の繊細なところは、分かりやすく表面化するので、この子のことは特に、(わ)とも気にかけてきました。一方で、(う)は夫婦そろって移住者である僕たちの一番目の子どもだからか、よくしてくれる地域の人も多く、この子だけ連れ出されて、遊びに行ってしまうことがしばしばありました。そんなときは決まって、文句も言わずに一人遊びにふける(す)の様子は、親としては頼もしく、また面倒もかからないので助かりました。
 それから月日が経って、(す)が自分の意思を表現できるようになったときには、僕たちは(ま)を授かっていたこともあり、彼からの要求に応えることは、後回しにしてきたようなところが、確かにあったかもしれません。そういえば、この子だけ特別に、という思いをさせてあげたことは、これまでなかったかもしれないなぁ。

 特に心配が募ったわけではありませんが、この子の好きな“男チーム!”の掛け声で、二人で出かけてみたいものだと、常々思っていました。みかん山の仕事にも少し余裕ができたので、この日は不調を訴えてはいませんでしたが、「ズル休みして、とべ動物園でも行くか?」と誘ってみました。目を輝かせて大喜び。
 (ま)を保育所に預けるときに事情を伝えると、保育所の先生たちも快く受け入れてくれて、「いってらっしゃーい!」と送り出してさえもくれました。

 気温は高くても、曇ったこの日は過ごしやすく、動物園見学にはもってこい。オランウータン、ゾウ、ニホンザル、ライオン、トラ、アシカ、ペンギン・・・、動物がみんな元気で、よく動いています。ピューマへのエサやり体験も一番乗りでさせてもらい、親子二人で大声をあげて、大いに楽しみました。(す)はずっと肩車で、満喫したことでしょう。
 帰路にそのまま(ま)を迎えに行くと、「おっかえりー! (す)っくん、どうだった?」と聞かれ、自慢げに話し始めます。興味津々で聞いてくれて、ありがたい。その様子には、もっとずっと大きな頼もしさが、この子に備わっているような、そんな気にさせる何かがあって、いい一日を過ごすことができたのだと、ほっと実感します。


(ゆ)
| なんち屋 | comments (0) | trackback (0) |

PAGE TOP ↑