2015,09,22, Tuesday
保育所にはYくんとTくんという、双子のきょうだいがいます。この家系は運動神経がよいのでしょう。同じ保育所に通っていた二人の従兄弟くんも足の速い子でした。
Yくん、Tくんと同級の(す)は、かけっこでこの二人に敵いません。年間行事の運動会が近づいているこの時期には、特に悔しさが募るみたい。 「オレ、いつも一番遅いんよ」「あ、そうなの?」「ほやけん、俺、シュンソクが欲しいんよぉ!」「は? 俊足?」 シュンソクとは、アキレス社の『瞬足』という子供靴ブランドのこと。“走る”ための仕様が施された、こちらでは履いている子をよく見かける人気靴です。きっと保育所で、入れ知恵もあったのでしょう。(す)の訴えには、思わず吹き出してしまいました。 僕から見て、(す)が特に足が遅いとは思いません。結構運動神経も、むしろよい方ではないかと思います。 僕も(わ)も、一番になるほどには優れてはいませんでしたが、足の速さは、上から順位を数えた方が早い子だったし、こういったことを気にした経験があまりありません。(す)ならば、同じくらいには“走れる”奴ではないかとも思うのですが、けれどこの子のように、少人数の児童の中での3番手というのは、我慢ならないものなのかもしれません。この子のこういった心の持ちようもまた、健やかであるような気もします。 離れたところに住む祖父母からのプレゼントが充実していたこともあり、折しもあと数日で誕生日を迎えるのに何も用意していなかった言い訳にも都合がよく、「おっしゃ、んじゃ、買いに行くか!」と連れ出しました。 「これ、速い?」、たくさんの靴の中から候補があがるたびにそれを確認します。ずっとYくんとTくんを気にしています。「ちょっと走ってみ?」、店内で試着中に促すと、あっちからこっちまで、思いっきり走り出してしまう(す)。でも真剣な表情がかわいい。店員さんも、微笑ましくその様子を見守ってくれています。 購入したのは、結局は『瞬足』シリーズではなくて、同じように“走る”デザインの子供靴。お気に入りの赤色を基調とした、最新モノ。 「ここから走りたい」、新しいシューズを手に入れて以来、(す)は急にそう言い出して、車から降りて駆け出すことがあります。僕たちは先回りして待ちます。自宅から保育所までの道のりで、それを3回もすることがあります。しかも、送りと迎えの往復とも。 それを見かけた別の子の保護者から、「何!? 走らせよるの? えっ、罰則!?」、なんて言われることも。「いやいや、YくんTくんに負けたくないみたいでさ」と言った途端に笑い話になります。「がんばれー!」と追い越し際に声援を受けて、調子に乗ってまたダッシュ。 運動会まではまだしばらく、この自主特訓が続くことでしょう。誕生日おめでとう、頑張ろうね。 (ゆ) |
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