2015,08,17, Monday
以下、『えひめ風車NET』設立趣意書より抜き書き。愛媛県民でない人にも伝わるよう、一部補足しています。
--- いま愛媛県南予地方は、クリーンなイメージが先行する風力発電による“無秩序な乱開発”の危機に直面しています。現在、巨大風車建設を規制する法律や基準はなく、周辺地域に対する配慮は事業者の倫理観と自制心に委ねられています。個々の建設予定地においては、地区住民が自力で情報収集や勉強をおこない、事業者や自治体と協議するしかなく、多大な時間的・経済的負担を余儀なくされています。このような状況のもとで、県下には、西予市・宇和島市・愛南町合わせて100基を超える巨大風車が計画されています。 さらに近年、風車の大規模化に伴い“健康被害”や“自然破壊”はより広範囲に及んでおり、南予は新たな公害問題の“全国屈指の被害地域”となる恐れすらあります。風力発電の在り方について、もはや建設地域の住民だけではなく、県内の有識者や一般市民も含めて真剣に検討すべき時期が来ています。・・・ そこで、巨大風車の建設計画を契機に活動を進めてきた地元有志の3団体(宇和島市・西予市・愛南町)が中心となり、それぞれが収集してきた情報を共有し、知識を深め、集積した情報を広く一般に発信していくことを目的として、県内ネットワーク『えひめ風車NET』を発足させます。さらに今後得られる知見も踏まえ、風力発電の導入にあたっての留意点などをまとめ、県への提言をおこないます。 『えひめ風車NET』が発信する正確かつ有益な情報が県民全体の問題意識と幅広い議論を喚起し、将来に対する適切な意思決定がなされていくことを願います。 --- 僕たちの住む明浜町狩浜地区に風力発電のための大型風車の建設が予定されているのを住民が知らされたのは、前年の6月上旬のこと。かなり行政手続きが進んでいるにもかかわらず、ほとんどの人が寝耳に水。折しも西予市が日本ジオパークに認定され、その目玉スポットとして、この石垣段々畑の景観が取り上げられるようになったこともきっかけに、住民活動が盛り上がり始めていたときでした。 風力発電の先進地と言われる愛媛県伊方地方で起こっている健康被害などの報告もすでにあり、同10月には、地区住民による『風力発電を考える会』を立ち上げ、これまで活動を続けてきました。僕は当初から会に参加していましたが、この春くらいからは中心的なメンバーのひとりとして活動に関わるようになりました。 僕たちは、風力発電そのものを否定する立場はとってきていません。けれど開発に伴う健康被害などへの対応は、「予防」措置が原則であると思います。 これまで会独自に事例を参照し、勉強をおこなってきましたが、知れば知るほど心配は募るばかり。それなのに、これだけ懸念を行政や事業者に伝えても、それでも開発が進められ、実際に健康被害がおこった場合には、住民が自己負担しなければならないというのも、どこかおかしい。環境破壊や生態系への影響の甚大さ、そしてベースロード電源として期待できない事実も浮かび上がってきて、もう、何が何だか分からなくなってきていたところ。連携の話が持ち上がったのは、そんなときでした。 なぜ「予防原則」に立とうとする声は、住民の側からしか発せられないのでしょう? 『えひめ風車NET』に参加する3団体の活動状況は、集落の規模や形態、過疎化・高齢化の状況、行政の方針、事業計画の進捗状況なども異なり、団体のカタチもそれぞれだけれども、この状況に悩ましく過ごしてきた経緯は共通のものです。 そして、この3団体がそれぞれの活動について知り合ったのは、つい最近のこと。この5月くらいまでにしか遡れません。それは、最近の風力発電の計画が、この2~3年くらいのあいだに、多発的に発生したことと無関係ではありません。なぜ同時多発的に発生したかはぜひ考えてみてほしいと思いますが、再生可能エネルギー(自然エネルギー)を広げようという、市民的な動きによるものではないことは明らかであって、その背景について疑問を持っている。この点でも3団体は共通認識を持っています。 このような状況に対して、“住民”はいつまでもノーガードのままではいけない。そのために、この3団体の立ち位置はそれぞれ異なるけれど、これまでの活動で個別に得てきた情報を共有し、共にさらに知識を深め、有益な情報は発信していきましょう、という考えのもと『えひめ風車NET』が発足することになりました。 エネルギー政策は、何を資源としているかだけではなくて、さまざまな論点があるということは広く知られるべきだと思います。真に普及が望まれるのは、地域にとって持続可能な再生可能エネルギー(自然エネルギー)であるはずです。田舎は単なる電力供給地ではなく、維持されてきた多自然の中で人々が暮らす“生きつづける”場所なのだから。僕たちの『風力発電を考える会』がおこなってきた活動が貢献できることがあればという思いで、このネットワークに参加します。今後、一人でも多くの人に当事者意識を持ってもらえることを期待したい。近く、発足報告の記者会見もおこなう予定です。 (ゆ) |
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コメント
由良守生さま
メール通知機能が不具合を起こしているようです。コメントに気づかず、お返事遅くなりました。申し訳ありません。 風力発電の風車問題に詳しい方だとお見受けします。僕自身、この問題とはっきり向き合うようになって、まだ半年余りといったところで、経験の浅さを指摘いただいたのだと捉えています。きちんと考えて、しっかり行動していきたいと思います。 よろしければ、今後もアドバイスいただければ幸いです。
| なんち屋(ゆ) | EMAIL | URL | 2015/10/19 07:27 AM | WCWUBVJA |
わざと、勘違いしているんだよね。
伊方町など、全国でも有名な風力発電の被害地でありながら、予防原則ですか。 汐見文隆医師が聞いたら怒るだろうな。 風力発電には反対ではない??? どこかで聞いたフレーズです。 全国で、同じ対策が採られてきたことの証明か。 是非、ごゆっくりと『考えて』ください。 低周波音被害者は、すでに人ではありません。どうせ少数ですし、そのうちに、どこかに行ってしまうでしょう。 次は、『アセスメントをしっかりやってください』と付け加えなければならないでしょう。 がんばってね。全国の関係者が応援しています。
| 由良守生 | EMAIL | URL | 2015/09/25 06:34 AM | NZaLs16g |
みかんさん
コメントどうもありがとうございます。 詳細はかけませんが、そのための具体的な動きも確かにあります。 一人でも多くの人に、当事者意識を持ってもらいたいと思っています。
| なんち屋(ゆ) | EMAIL | URL | 2015/09/07 11:19 AM | WCWUBVJA |
雑談はいいから、風力発電の低周波音で苦しんでいる人たちを助けてやりなよ。
| みかん | EMAIL | URL | 2015/09/06 04:38 PM | jQXItogg |
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