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梅は鎹 その2
「何か、いいアテないかしら?」、Kanikaから連絡があったのは3月末の頃。

 彼女の友人が来日予定とのこと。インド・コルカタでMaku Texitileという会社を設立し、天然藍染めの生地を使った洋服などを手がけている人らしい。彼自身が藍染技術者でもあって、さらに台湾の仕事仲間を一人連れてくるのだとか。そこで目的地の京都付近で、リーズナブルな宿はないだろうか、あと、彼の仕事に興味を持つような人も、できれば紹介してほしい、というような問い合わせでした。

 僕たちにはわずかなアイデアしかなかったので、僕たちの別の友人にも相談してみることにしました。
 間もなくその中のひとりから、「日本の藍染の本場は徳島よ。こっち来るなら、職人も紹介できるし、アテンドもするよ」、なんてメールが返ってきました。新たな方向性を示してくれたのは徳島市に住むHさん。3年前から、交互にお互いを訪問し合っている、家族ぐるみの友人です。
 これをKanikaに伝えたところ、彼女の友人が関心を持ち、日程調整をし始めたとのこと。そして「私も行きたいな、検討中!」、Kanikaがそんなことを言い出した。すると「んじゃ、上原家もいらっしゃいな」と、Hさんからお誘いを受けます。

 なかなか心惹かれる急展開です。今年は僕たちが訪問する番だよね、(わ)と冗談まじりに話します。
 こんな機会は10年に一度、あるかないかのような気がする。服飾に興味を持っている(う)にも、小さいうちに“本物”というものを見てもらいたい。いろんな思いも重なり、平日に掛かる日程でしたが、(わ)は思い切って有給休暇を取り、(う)の小学校担任にも直接相談して休ませることにし、僕も仕事の段取りを大幅に整え直して、家族で出かけることにしました。


プレゼントされた藍染ショールを首に巻く(う)。なかなか似合う。


遅めの朝ごはん。みんなリビングでだらだら過ごす。


滞在中はずっと天気良く、海遊びも大はしゃぎ!


海岸の砂に埋められた? いやいや、砂風呂でくつろぐ(う)です。


みんなで記念撮影。


Tさんの計らいで、徳島大学内でゲストゼミ。子どもたちが横で大騒ぎ。
そんなちょっと変わったいい雰囲気の中で、ミニレクチャーをしてきました。


 思えば、Kanikaとの出会いは、(う)の誕生がきっかけでした。赤ちゃんの(う)を毎日のように見に来ていたRaniおばあちゃん、彼女の葬祭パーティーの場で(わ)が意気投合しました。以来、帰国するまでのあいだは親密な交流が続き、(う)の面倒もよく見てくれました。その何もかにもが好い思い出です。明浜での暮らしが始まってからも、「私の(う)は元気~?」なんてメールが来たこともあったっけ。
 Kanikaと(う)が仲よく遊んでいる、僕と(わ)には、その様子にじーんと来るものがあります。(う)も彼女のことが大好きになったみたい。「Kanikaの英語、ちょっと分かったよ!」と得意げで、いつか自分もインドに行きたいという思いを抱いたようです。

 ああ、行ってこい! 信頼できる友人の顔がいくつも思い浮かびます。大きくなった(う)がインドに来るなんて聞いたら、みんな大歓迎してくれるに違いない。
 そうなったら、別にもう帰ってこなくてもいいなぁ。それよりも、もっと輪を広げて、僕たちのまだ知らない、面白い世界を見せてほしい。そんな日が来たら、本当にいい。

 思い切って出かけてきてよかった。今回の徳島4日間の旅も、毎日刺激的でした。
 Tさん家族には、そのすべてにおいてお世話になりました。どうもありがとう。今度はどこで会えるかな。またこんな、変な話があると、いいですね。


(ゆ)
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