2013,10,26, Saturday
この地区の秋祭りで特徴的なものの一つに、各家でご馳走を用意しておく、ということがあります。地元では≪お客をする≫と言います。
玄関先に御神燈が下がっているのがサインです。普段付き合いのない人や、祭りを見物に来た人でも歓迎されます。警帑(ケイド)を着た神輿担ぎ役などは、「よう来てくれた」と大変喜ばれるものです。午前中は本浦集落、午後は枝浦集落で、どちらも祭典が終ってから各家で出迎えます。 これは数年前に撮影したものですが、典型的な御神燈の写真。 ただ、これは大抵は地元の人の家。しかも大人の付き合い、社交の場です。観光で来た人ならともかく、よっぽどの事情がなければ、子連れでは、行き先はなかなかありません。 私たちもIターン者ながら、一応、持ち家があります。それでも≪お客をする≫ほど、この文化にしっくり馴染んではいません。セオリーもよく分からない。祭り関連のことでへまをするのは怖いものです。 Iターンの神輿担ぎが立ち寄ってくれているところ。 そこで発想をがらりと変えて、ごるぽっこ式に、かんまん部屋でやろうということになりました。つまり、小さい子どものある家庭が何軒か集まって、手作り料理を持ち寄って、お祭り向けに、ごるぽっこを開放しようというわけです。共同で≪お客をする≫とも言えるかもしれません。 御神燈の代わりにごるぽっこの看板を立て、今回は4軒でおこないました。子どもたちが自由に動き回る中、他の家にはない、出来立て、温かいメニューを中心に、ほのぼのお出迎え。 通行人に声をかける子どもたち。 写真の左下、赤い格子にごるぽっこの看板をつけました。 男は神輿担ぎ、牛鬼、五つ鹿などを担う“祭りの役”を与えられるかもしれませんが、女にそれはありません。特にIターン夫婦では、女性の方は祭りに参加した実感が得られにくい上、さらに小さい子どもがあっては、せっかく一年一度のハレの日を楽しめないばかりか、居づらい雰囲気すら感じてしまいます。 でもごるぽっこ式なら自分たちで居場所を作るわけですし、ここに子どもをちょっと預けて、お世話になっている人のところへ挨拶に行くこともできます。過渡期かもしれませんが、若いIターン家庭には、ちょうどよいやり方だと思います。 光る誘導棒をヒーローの剣に見立てて大喜びの(す)。 午後の祭典へ向けて渡御が始まる頃に、ごるぽっこ式お出迎えも終了。昼からは静かになった本浦集落で、我が家のメンバーはのんびり過ごします。 夕方には、頼りになるO家の三兄弟とともに本殿まで上り、(う)も(す)も眠いのを堪えて、きちんとお帰り(御神体の帰殿)を見届けました。 今年も無事、お帰りが済みました。 (わ) |
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