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ぐぅの音
 石垣の修復をはじめたら、すぐに体が痛くなりました。
 まずは腰や背中がしんどい。うつ伏せになって、毎日のように(う)や(す)に踏みつけてもらうのが気持ちがいい。そのうち前腕もパンパンに張ってきて、指先までビリビリと、電気のような刺激がずっと流れはじめる。

 大掛かりな修復が必要な個所に取り掛かっていたときは、大変でした。朝、布団からなかなか起き上がれない。身体の中の方まで痛みがあり、骨のあたりまで締め付けられているような感じがします。牛鬼のときみたいです。
 大人ほどもあるような石を背丈よりも高いところまで持ち上げたり、何立米もの土砂を掘り起こしたりするのだから、さもありなん。どうしても必要なことなとはいえ、正直キツかった。コタツに足を突っ込んで、仰向けに倒れ込んでいると、体が地球に引っ付いているような気がしてきます。寝床でも、とにかくまっすぐ上を向いているのが気持ちがいい。

 そうしていると、時折り、吐き出す息が声となって出てしまうことがありました。驚きました。
 いびきではない。意識が遠のいていくようなときでもなく、目もパッチリ開いている中でのこと。でも、いろはのどの音かすら分からない声。短い時間の中で、何度もそうなることもあるのですが、どうやってそうなるのか、分かりません。意識しては、できないのです。

 鍛えられたのか、体の使い方に慣れてきたのか、筋肉疲労が温かみを感じるようになってきて、作業を続けていくと、自宅でも楽に過ごせるようになってきました。それにともない、変な鳴き声のようなあの音が出ることも少なくなって、修復作業に一区切りつけてしばらく経ったいまは、もうすっかりなくなりました。
 とても不思議な、体験でした。


(ゆ)
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