2016,02,27, Saturday
![]() 朝、洗濯物を干していたら、お隣のKさんが絵本を小脇に抱えて話しかけてきました。 見ると、エリック・カールの大型絵本です。うちにもある、お馴染みの動物の会話遊びの。話を聞くと、最近、知り合いのバングラデシュ人と週に一回くらいスカイプでつながるらしいのですが、Kさんの英語力を見かねたそのバングラ人のおじさんが「わしが鍛えちゃる!」と意気込んでいるそうなのです。びっくりしたKさんは、ひとまず図書館で英語の絵本を借りてみたものの、どうにか活用できないかと私に聞いてみよう、と思ってくれたとのことでした。 Kさんは、物静かですが普段から色々なことに興味を持たれている、意識の高いお隣さんで、社会的な映画の上映会を教えてくれたりします。今朝のやりとりでも、何だかすごく嬉しくなって、久々にそんな向上心に触れ、感動してまだ手に洗濯物を持っていることをしばし忘れていました。そう、そういう純粋な英語との出会いや海外とのつながりへの意欲が、まさにアンテナ。 こうしてこの日は、爽やかにスタート。昨晩から泊りに来てくれている東京からの友人Yさんも交えて、お昼まで農道散歩に繰り出します。Yさんとは、2年前、東京に行った際に自主保育の「原宿おひさま会」を見学に行った時に出会いました。大学で心理学を教えている女性です。子どもへのまなざしはもちろん、大人の私たちも優しく包まれるような、なんとも素敵な魅力のYさんと、リュックにおやつと水筒を詰め込んだ子どもたちも一緒に農道を上っていきました。 山仕事、石垣補修などの共同作業をしている地域のおじさんたちを眺めながら、元気に上へ上へ歩いていきます。くねくねカーブを曲がりきる度に、下に広がる集落とすぐそこの海を眺めます。いいお天気で、海も空も山も集落も、ぐるっとまるごと気持ちいい!わざわざ遠足やジオパーク巡りなどのツアーを組んでくるようなお散歩コースを、いつだってこんな気楽に歩ける散歩道として私たちはすぐ家の後ろに持っている。私が仕事を始めるまでは、毎日毎日歩き回っていた道です。 ![]() 子どもたちの元気にはしゃぐ姿に、最近いよいよ気持ちに余裕がなくなっていたことに「はっ」として、深呼吸しました。(ゆ)が年末に決断し、家族として取り組むために私も仕事を退職。二人でよくよく話し合って、悩み抜いた末の覚悟を決めて表明した新年。以来、やはりどこか焦る気持ちやざわざわした感覚に囚われていたように思います。 最近は、日曜日も子どもたちを何とか預けたり、家事の合間を見て活動や事務作業を進めようとばかり考えていました。ああ、でも違うなぁ。春をちょっと感じるこの青空の下、飛んだり跳ねたり走ったり、登ったり飛び降りたり、摘んだり歌を歌ったり、トンビに呼びかけたりしているこの子どもたちを見ていると、そういうことではないのだな、と気持ちが立ち止まりました。 この子たちにとってのこの春は、今しかなくて、後からは取り戻せないもの。この春の経験の先に次の季節があり、また一年の成長があるはず。そもそも、この人たちが当事者となる未来が健康なものであるために決断したことなのです。とはいえ投票日の4月24日まで、やるべきことは山積みで時間もないのは事実。遠出をしたり、何か特別なことはできないし、(ゆ)も交えて皆で何かするのは難しい。でも日常の時間と、私と子どもたちで過ごす日曜日は、思いっきり一緒に空気を吸い込みたい!そうだ、そこが原点でした。 農道を賑やかに歩く姿が、山仕事をしている人たちの目に触れる。これは私たちの農道パレード。私たちは、こんな子どもたちの姿が、ここの自然の中に安心してある、そんな生活の場所を願っています。日曜日の小さな農道パレード、今度は友だち親子も誘い合って歩きたいなと思っています。 (わ) ![]() |
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