2015,02,07, Saturday
かんまん部屋に集合して、そこから会場までは歩いて上がる。 そんなのへっちゃらな人、それだけでくたくたになる人、様々。 集落の農道を少し上がったところにある園地では、来る春に苗木を植えるべく、古い樹を伐採して整理し、緩やかな広場ができあがっています。 ここに、長野県駒ケ根市で『土ころ』を営むパン職人、Mさんがやってきてくれることになりました。軽トラに積んだドラム缶窯を使って、自家製酵母のこだわりパンを焼いてくれるという素敵な話。2月中は四国を旅して回るのだそうで、その途中になんち屋にも寄ってくれることになりました。 ならば、海と集落と段畑の、自慢のロケーションを大いに活かそう。この風も太陽も、みんなカフェにしてしまおう。急なお誘いでしたが、10組ほどのお客さんが遊びに来てくれることになりました。半分以上は同世代の、子育て中のお母さんたち。子どもたちが走り回る様子が目に浮かびます。 早めに会場入りして、かんまん部屋改修の後に使わなくなった板戸、ゴザ、出荷用コンテナ箱、コンクリートブロックに伊予柑の切り株・・・、あ、焚き火も欲しいな。思いつきのありきたりのものを持ち込んで、空間を作っていきます。なかなかいい感じ。 ドラム缶窯に煙が上りはじめる。 スープに焼き芋、コンロの準備も万端。 会場で思い思いに遊ぶ子どもたち。 僕たちは、自分たちの生産物で作った自家製ジャムに、スープとコーヒーも用意しました。焼き上がったパンは果樹栽培で利用するモノレール運搬車で、子どもたちが篭に抱えて、農道からトットットと下ろしてきます。「できたよー!」「わーい!」、普段はジイヤン、オッチャンとしかすれ違わない、ただの農地がすっかりまどろんでいます。 焼きたてカンパーニュにあったかい和製ミネストローネ、穏やかな、陽だまりのような時間にも恵まれて、好きな場所で思い思いのおしゃべり。想像以上に楽しいぞ! パンが焼けたよ~ さあ、食べよう。 好きなものを、好きなように食べよう。 手に取ったものを、楽しく食べよう。 焚き火と切り株椅子も好評。 僕には農業はおろか、食べ物の生産に携わる人というのは、親ばかりか親族にさえ思い当たりません。そうした境遇を振り返ると、この日この場所で否応なく表現されたもの、それはひとつの文化という気もします。生計と道楽は、元来混然としていたのでしょう。 記憶も人のつながりも、普段からは大きく超えて、確かにここで生きていると実感しながら、地域文化をまるごと食べる贅沢な遊び。開き直る農業の、生々しい一場面。 子どもたちは秘密基地を作り始めた。 穴は掘るもの、落っこちるとこ。 『土ころ』のMさん、こんな機会を与えてくれてどうもありがとう。そして、ごちそうさまでした。またやれたらいいですね。 (ゆ) |
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