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手つなぎ鬼
 武田先生が担任だった、子どもの頃の話。
 体育の時間だったかな。校庭にいたのはクラスメート全員、それだけだったので、お昼休みや放課後の時間ではないと思います。先生も一緒になって、『てつなぎおに』という遊びをしました。最初は鬼ひとり。鬼にタッチされると、その子も鬼になります。そして、鬼はみんな手をつないで、ほかの子を追いかけます。

 初めはなんてことのない鬼ごっこ。どちらかといえば、どんくさい子から捕まってしまうのでしょう。
 けれど鬼の人数が増えてくると、遊具やウサギ小屋、校庭の隅に追い詰められ、囲われて捕まってしまいます。最後は校庭の幅いっぱい広がって、行になって歩くだけ。さあ、それでもう逃げ場はありません。

 すぐ捕まってしまうような子も、手をつないでいって、大きな力になっていく。一人では決して太刀打ちできないような活発な相手でも、最後には何とかなる。誰も、参加する勇気を持つことができる。
 その一方で、最後まで残った子からすると、どうでしょう。頑張って逃げ切ったのは、ルール違反したわけでもなく、その中で発見や工夫があったからこそなのかもしれません。つないだ手をいっぱいに広げた一行の鬼が、のっしのっしと歩いてきただけで追い詰められてしまう、その最後の場面というのは、とてつもなく怖ろしい、理不尽なものにも感じられるでしょうか。
 この遊びはほんの数回やっただけ。それがミソなのかもしれません。いまでも時折り思い起こす、小さい頃の記憶です。

 武田先生とは5年前に十数年ぶりに再会し、以来、お付き合いが続いています。先日、僕たちが栽培した温州みかんを送ったら、さっそく電話がかかってきました。僕は不在で、その電話は(わ)がとったのですが、ずいぶん興奮していたようです。
 後日、彼が参加している「はらから東京の会」が運営している「とうふ工房大谷口の家」の豆腐が送られてきました。とっても美味しかった。ご馳走さまでした。


(ゆ)
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