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汲み取り
 登校班に合流する(う)を見送って、(す)(ま)の2人を保育所へ送って戻り、早朝から準備していたみかん山の仕事に、さあ出かけるぞ! と、そこで、電話がかかってきました。業者さんからで、かんまん部屋改修の際に入れた、合併浄化槽の汲み取りに来たいとのこと。
 作業が終わるまで、立ち会わなければなりません。出鼻をくじかれた格好ですが、これも大事なこと、仕方ない。「よろしくお願いします」と応えます。

 変な言い方になってしまいますが、“排出”というものに関心があります。身体からの排泄だけでなく、暮らしの全般を含みます。
 バキュームカーからホースを引っ張って、浄化槽のフタを開けます。飛び散るように蠅が一気に動き出す。「中はどうなっているんだろう?」、作業する業者さんの傍らに立って眺めます。臭いけれど、ゴミ捨て場に集まるストリートチルドレンと呼ばれる子どもたち交流した経験からか、この臭いにも「そういうもんだろう」と思える性格で、ただただ興味深く覗き込んでいました。

 姿を消さないまま、そんな客は珍しいのか、業者のおっちゃんが、話しかけてきました。話しかけてきたと思ったら、人生観まで熱く語り始めた。
 開業しようと決めたときの心境、子や家族を養うこと、人間関係と相手の見極め方、信用と信頼、、、ひとしきり話したところでようやく僕のことを聞かれ、答えを聞くと、思い当たることがあったのか、またしゃべり出す。僕もこういう人に付き合うのは割合得意な方で、しかも話が案外面白く、会話もはずみます。滞りなく作業も済んで、お支払いも終わった帰り際に、最後のアドバイスを残して出ていきました。

 何気ない、朝のひとコマ。けれどこれまでになかった、不思議な経験。ひょんなところに、平和の種は眠っている。


(ゆ)
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