ちょっと退屈な日々

2008,12,31, Wednesday Haircut 94 by : なんち屋 　コルカタでは、ベランダに独特の雰囲気があって、ここにソファーや椅子、テーブルを常時置いて、長い時間、お茶をすすりながら新聞を読んだり、外を眺めたり、居眠りをするような人を見かけます。植木の花や葉がこぼれ出ていたりして、たいてい気持ちよく、楽しそうに見えます。 　子が生まれてからしばらくは、何をしたらいいか、何が起きるか、とすぐ対応できるのを心がけていたためそわそわしていて、それまで一年以上ほぼ毎日続けていた頭髪の手入れを全くしてきませんでした。しなくなってから三カ月近くが経ち、とうとう耳にもかかるようになってどうも気になっていけない。この髪を切ってもらうことにしました。 　いつもはバスルームで一人でこもってやるのですが、日が入り始めた暖かいベランダに椅子を出し、干して掛けている洗濯物のすぐ脇に座り込みました。他人の髪を切るのははじめてと言うこの人ですが、いろいろ信頼しているので髪型も必要な時間も、すべてお任せすることにして、窓のガラスを鏡代わりに、指示どおりに体の向きをくるくる変えながら、少しずつハサミを入れていきます。 　こんな風にいろんなことを気にせずに、なんでも「おまかせ」で、やる側の方も一生懸命のときは時間が過ぎるのが早いものです。そして、そんな風にベランダで過ごすのは本当に気持ちが好いものだと、はじめて知りました。 　それも常識が徹底されていることの裏返しか、プライベートの、特に人の個性に関することは、干渉されることの少ないコルカタの雰囲気ならではなのかもしれません。ベランダは外に向いて、外から丸見えですが、その家々の裁量で気ままに過ごすことのできる、自由な場所なのだろうと思います。 　髪切りおつかれさま。どうもありがとう （ゆ） | 日々 | comments (0) | trackback (0) |

コメント コメントする name: email: URL: comments: Cookieに登録

この記事のトラックバックURL http://doratomo.jp/~nancha/ordinarylog/tb.php/143 トラックバック

PAGE TOP ↑