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ことばの壁 その3
 手の甲を向けて小指を立てると、ベンガルでは“あんたのこと嫌い”といった意思表示で、例えば子ども同士でケンカをして口を利きたくないときにこのジェスチャーをするのだそうです。一方、親指の先の腹を突き出すと“仲良くしようよ”といった意味になるそうです。
 面白いなぁと思っていたのですが、先日思わぬ場面でこのジェスチャーを目の当たりにしました。

 散歩をかねて市場に(わ)と買い物に出たときのこと、路上でクリケットに興じていた青少年たちのところを通りかかると彼らがにわかに騒ぎ出し、「ヘイ、ネパーリ!」と冷やかしを浴びせ、小さい子はわざわざ僕たちの前まで回り込んで、小指を立てた手の甲を向けてきました。「俺たちは日本人だ、しかもネパール人を差別しやがって」と思ったものですが、これはどうやら誤った解釈かも知れません。
 多分、彼らにとって「ネパーリ」というのは、「ネパール語を話す人々」といったくらいのものでしょう。

 インドの北東部、西ベンガル州の一部でもありますが、その地方にはネパール語を話す人たちがいます。インドの人々にとっては、「ネパーリ」は外国人ではないのです。僕たちはちょうど、その地方の人たちの顔立ちの特徴をよく含んだ顔つきをしています。
 またネパールには40程度の民族があり、その中にはネパール語を母語としない人もいます。ネパール語が分からない人ももちろんたくさんいます。

 安易な平等論や友好論は、その気にならないとなかなか超えられない。あの子らも、カップルで歩くちょっと変わった雰囲気の僕たちに、かける言葉がほかに思いつかなかったのでしょう。気前よく親指を突き出して、「なんだい、ベンガル語が分かるの」という会話にもっていけなかったものかと、後になって反省です。


(ゆ)
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