2009,01,31, Saturday
朝6時半から小さな車を借り上げて、目指すは空港から更に北に4キロほど行ったところにあるAjit-daの自宅。 (う)への授乳が終わり次第すぐさま出発すべく、眠い目で待機しているのは私、(ゆ)、Kanika、そしてKanikaの親戚のEmmaの4名です。 この日の目的は、Ajit-daの作品制作の工程などを見せてもらうこと。Ajit-da紹介・応援ホームページ作成チームのKanika&なんち屋は、カメラもスケッチブックもしっかりと準備して、この日を心待ちにしていました。 到着すると、待っていたのはニコニコ顔のAjit-da、奥さんのBharati、3年生になる息子のBappy、そして出来立てほかほかの朝食(!)です。朝食は食べてきた私たちでしたが、初めて食べる緑色のLuchi(手のひらサイズの薄い揚げパン)に大喜び。満たされて眠たくなった頃にようやく、2階の作業部屋に移動です。 長くて幅の広い机の上には、ショールのうちの一枚が広げてありました。黄土色の綿の上に筆で黒で模様をつけています。よく見ていると、布に引かれた薄茶色の線がみるみるうちに真っ黒に変わっていくのが分かります。これは布を染色した染料の成分とインクの成分が反応して黒くなるのだそうで、次々と浮き上がってくる黒い線についつい見入ってしまう程。ちなみにこのショールは80枚(しかも皆違うデザイン!)のオーダーを受けているとのこと。Ajit-daファンのイギリス人の方の結婚式で、女性客へのギフトとして贈られるのだそうです。考えただけでも喚起の嵐!Kanikaも出席する式だそうで、彼女は様々なドレスの上に思い思いに見にまとわれるであろうショールをしっかり写真に収めようと大張り切り。いやいや、本当に楽しみです。 隣の部屋には、作品の山、山、山!全て綿の布に描かれているので、あっちにもこっちにも積んである作品群は文字通りこんもりお山です。Bappyが得意げにある棚を開けると、ひゃぁ、そこにもびっしりお宝が。取材のことはしばし忘れて鑑賞会。面白いことに、何百枚もある大小様々な作品のほとんどが未完成なのだそうです。このままで十分素敵!と私たちが思っても、まだここにダークグレイをいれるんだ、こっちには青を、とAjit-da。 自然染料で描く彼の作品は、全てが筆で色がおかれていく訳ではありません。最初は黒、次は赤、というように布にのせていく色の順番が決まっていて一色ずつ全体におかれていきます。ショールのように筆で黒をのせたら、次は赤をのせたい部分に特定の半透明の液体を塗ってから染料の入った水の中にばしゃり。水から出すと、その部分だけに赤い染料がついているのだそうです。こんな風に極めて計画的に、一つずつ染められていく色、色、色。Bappyの開けた棚一杯に詰まっていたのは、そんな過程の途中で気が向くままに新たな作品に取り掛かったためにそのままになった未完の作品たちなのでした。 (わ) | ちょっと | comments (x) | trackback (x) |
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