2022,07,21, Thursday
(さ)が生まれて初めて迎えた小正月、まだ本当に華奢なこの乳呑児に、集落中の皆さんが〝おぼこ人形〟を贈ってくれたことは、僕たちにとって忘れがたい思い出です。 この〝おぼこ人形〟にそっくりな、〝山の神人形〟というものがあると知ったのは、それから1年以上も経ってからのこと。最上地方で「山の神勧進」という行事に関連するものらしい。 『山の神』というのも、『焼畑文化』とほぼ同時に僕の中で深まっていたテーマ。特に2020年度は新型コロナウイルスの感染が急拡大してパンデミックも宣言され、予定していた活動が軒並み中止・延期となり、そのために用意していた時間を使って、新たな文献を読み漁り、勉強と考察を続けていました。そうこうしているうちに、少なくとも僕たちが暮らす奈良田では、〝焼畑〟と〝山の神〟は切っても切り離せない関係にあり、〝おぼこ人形〟や〝オホンダレ〟といった小正月の風習も、その関係の表れという気がしてきたのです。上流研を離れる直前に執筆担当した『やまだらけ』No.97で、そういった思考の一部を整理できたのは、幸いでした。 そもそも遠方である上に、コロナ感染拡大防止のための越県自粛が求められたことも重なり、最上地方の〝山の神人形〟を実際に目にする機会にはなかなか恵まれません。それが、『焼畑文化プロジェクト(仮)』に向けて一歩踏み出したとたんにチャンス到来。山形県境の新潟県村上市山北地区は、全国にある焼畑実践地域の一つ。最上地方にも近いこの場所に、奈良田での焼畑実践復活に向けた実地研修を兼ねて、8月の火入れ準備作業を7/5(火)~7/7(木)のあいだで手伝わせてもらうことになったのです。 天候にも恵まれ、予定していた準備作業は最初の2日間でほぼ仕上がり、確保していた最後の1日は、最上地方まで少し足を伸ばしてみることにしました。そして〝山の神人形〟を実際に見て、現地で少しお話を聞くこともでき、それによって、〝おぼこ人形〟も〝オホンダレ〟もやはり、〝山の神〟と関係するものなのではないか、という思いを強くしてきました。・・・(つづく) (ゆ) | カテゴリ: ヘロホイ |
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