2008,11,04, Tuesday
面白いベンガル語表現だなと思うものに、「カワテ ホベ(khaawaate hobe)」という一言があります。直訳すると“食べさせなくちゃ”となりますが、“お祝いしなくちゃ”といったくらいの意味でも使うようです。ベンガルでは、好いことがあったときにお祝いして欲しい人たちに対して、自らミシュティを振る舞う習慣があるからでしょうか。
これまでも何度かこのコーナーで紹介していますが、日本語を習うベンガル人の友人がいます。定期的に集まって、日本語会話サークルのような活動を続けており、僕もそれにしばらく参加していました。そしてこの日、彼女たちが僕たちの家を訪ねてきてくれました。 彼女たちは(う)の誕生をとても楽しみにしてくれていたので、その中のリーダーにすぐに電話で誕生を伝えると、やはり「カワテ ホベ!」と言います。「女の子だったら、お人形のミシュティね!」と続けて言われました。とても興奮していて、日本語もベンガル語も英語も入り交じっています。電話を切った後、彼女から聞きつけたもろもろの方々から、携帯に電話やメールで次々とお祝いの連絡が届きました。“お祝い”というより、(う)の誕生を心から喜んでくれているようで、これは気持ちが好いものです。 さてせっかくベンガル地方で暮らしているのですから、「お人形のミシュティ」を配りたいと思いました。でもそんなものは知りません。甘菓子屋さんで鳥の形をしたようなものを見かけたこともありますが、アレのことだとも思えませんでした。ほかのベンガル人の友人たちにも確認してみると、よく知らないようです。 ベンガル文化を熱心に教えてくれる人たちなので、古い習慣なのだろうと思い、直接、甘菓子屋さんで聞いてみることにしました。“人形”のことを、ベンガル語では「プトゥル(putul)」と言いますが、店主が「あるよ」というので10箱オーダーし、翌日受け取りに行くと、出てきたのは「ポトル(patol)」でした。 僕の発音や説明が悪かったのでしょうか。でもポトルがとても美味しいので、これはこれでよしとすることにしました。 あれには参ったよと、こんなエピソードを彼女たちとお茶を飲みながら話すと、みんなで大笑い。しかしどうも、まだ話が噛み合いません。彼女たちは、なぜ僕たちが人形のミシュティを買いに行ったのか、よく分からないようです。 (ゆ):「だって、Sさん、『お祝いしなくちゃ! 女の子だったら、お人形のミスティね!』って言ったじゃない」 Sさん:「そうだったかしら。私は『女の子だから、お人形のようにかわいいでしょう!』って言ったけど」 と英語で話したところで、お互いに、皆、合点がいきました。そこでまた大笑い。この二つの文は、ベンガル語で言うと、同じ表現になってしまうのです。 日本語を習っているベンガル人と、ベンガル語を習っている日本人との間の勘違いが、共通語の英語を使って発覚した、楽しい思い出となりました。 そして彼女たちは、いわゆる子育てが済んでいる人たちで、いろんなことを教えてもらいました。どうもありがとう。とても楽しかった! 出来ればこれからもずっと、よいお付き合いをしていきたいなと願います。 (ゆ) |
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