How to

第2章.デジカメ編(カメラの概要について)   

第4回.デジタルカメラ

その4


5.デジカメはボケ(ブレ)易い?

a)「ブレ」と「ボケ」
 デジカメはボケ(ブレ)易い?
 これも、いろいろな方から質問を受けたり、あるいはいろいろな方の写真を見せていただいて いる時に強く感じる、疑問点です。
 はっきり言って、答えは「イエス」です。
 「えっ?」と、ここまで読んでこられた方は、不思議に思われるでしょう。
 「だって、前回もコンパクトデジカメ(以下この項ではデジカメと省略します)はぼけにくい カメラだと、散々書いているじゃないか」と…、
 はい、その通りです。まず、一般的に言われる、「ボケ」とは、どういうことで しょうか?
 もちろん基礎講座の第2回目にある「ボケ」は、正しい意味での「ボケ」ですが、よく 言われる「ボケ」の中には、ブレも含まれて(と言うより、ほとんどがこのブレなんです) いるからです。引き延ばした状態で、何となくぼやけて見えているものを、称して「ボケ」と 誤魔化しているからです。本来「ボケ」と「ブレ」は、全く別の要素なのですが、似たような 症状として表れ、たびたび混同して使われてしまうからです。

b)「ブレ」とは
 「ブレ」とは、撮影時素子に露光中に、何らかの理由でカメラ側あるいは被写体、または 両方が移動した結果、きりりとピントが合った像が得られないことを表します。
 カメラ側が動いた時は、カメラブレ、被写体が動けば被写体ブレと言いますが。「ブレ」た 画像はどのようにしたら見分けられるのでしょうか?
 「ボケ」ならば、たいていは画面のどこかにピントが来ている箇所があるはずです。もし、 どこにも合っているところがないなら、全くピントの位置がずれているか、後で述べる 「ブレ」が、原因です。どうしても何度やっても合わせたところにピントが来ないようなら、 カメラのピント位置がずれた故障か、あなたの目も疑ってみてください、近眼や乱視の傾向が 強い方は、当然のこと何らかの矯正を済ませて撮影に臨むようにしてください。カメラ本体に 視度調整ができるファインダーを内蔵している場合もあります。取扱説明書ももう一度 良くお読み下さい。
 それに対して「ブレ」は、先ほどの全体として眠たい感じで、どこにもピントの芯が 見つからない状態です。輝度の高いものがある場合には、明らかにその像が何らかの 形で流れて見えるはずです。構え方の不備や、個人の癖などによりパターンが決まってくる 場合には、対処が比較的楽で、癖を押さえ込む努力で気が付かない程度まで消すことも 可能です。

c)どうして「ブレ」る?
 では、何故(先ずは、ほとんどの方が使われているコンパクトタイプから中くらいの サイズの撮像素子サイズの)デジカメがブレ易いか。これもほとんどが、撮影する場合の 構え方に問題があると思えます。各個のかたがたの構え方を見たわけではありませんから断言は できませんが筆者が常々見かける、そのクラスのデジカメ使用者の撮影スタイルは、まず不合格 きわまりないスタイルで撮っておいでだからです。
 多分多くは見にくいファインダーのせいで、覗いても分かり難いからでしょうか、デジカメ 独自のモニター画面を見ながらシャッターを切る方が多いのです。これはメーカー系のCM でも、散々アイドルのお姉さん達やお兄さん方が、そのスタイルでお顔に付けたドウランが カメラに付かないように、中途半端に腕を伸ばした状態で、「はい チーズ」なんてやって いるから。それで良いのだと、勘違いされた方がいかに多いか。それでも、ひところのように カメラが大きくて重いなら、腕が疲れてとてもそんなスタイルでシャッターを押す気には ならなかったでしょうが、とにかく軽すぎるくらいですから、お構いなしにどんどん シャッターを、切り捨てしているようにお見受けします。
 それで、できた画像がぼけたものばかりだと、カメラのせいに… 濡れ衣まで…
カメラのせいではありません、はっきり言って撮影者が悪いのです。カメラ取扱説明書の最初の ほうに、必ず正しい構え方と称して、図解で丁寧に載っているはずです。それでなくても 多機能で、説明書は厚くなる一方、少しでも薄くしたいと苦心している説明書作りなのに、 未だに省略できずにページを割いて掲載するのは、いかに皆さん方がちゃんとした構え方で 撮っていないかという、証なのかも知れませんね。


▼視度調整(しど・ちょうせい)
 視度矯正のことですが、近眼や老眼の場合ファインダー内の像が見えにくくなり、ピント 合わせにも苦労するために、主に一眼レフのファインダーの中には、標準で組み込んだ機種も 見受けられる。
 これは、一眼レフの場合ピントを合わせる画像は、眼前からおよそ1メートルの位置に虚像を 結ぶように設計がなされているのに対して、ファインダー内のメーター値や様々な情報は、 機種により違いはあるものの、数十センチで見えているように調整されています。先のように 目に衰えがあると、どちらか一方に矯正すると他方が見えにくくなったりするので、きちんと 両方の情報が瞬時に把握できるように微調整をする必要があります。
 ファインダー内に組み込まれていない機種の場合は、オプション設定で別売りの矯正レンズを 装着することでまかなえます。

▼ピントの芯(……しん)
 ピントの合っている状態は、基礎編の最初に書いた、点画像がきちんと点として見えている 状態で言い換えれば、コントラストが前後の中で一番高い状態です。一方ソフトにぼけた画像の 中にピントの合っているところがある場合は、芯があるようにくっきりと見えるという意味で こう呼びます。

▼輝度(きど)
 物体の明るさを表す単位で、カンデラ(cd/cm2)で表示する。輝度が大きい程明るい。