卵
鳥からの贈り物コレクションギャラリーです。
画像により縮尺が異なります。和名右の数字は 長径 x 短径 を表します。
巣
ミソサザイ
17.3 x 12.5mm
日本では3種いる、最も小さい鳥の一つです。(他にはキクイタダキとヤブサメが共に全長 10.5cmです)。
関東では、冬場平野部にまで下りてきて越冬をします。繁殖期になると、雄が先にテリトリー確保に丘陵地の
沢へと上って行き、沢沿いの苔を器用に集めて細枝に編み込むようにして球形の、断面がカタツムリのように
中が渦巻きになっている巣の外殻だけを沢の岩や倒木などに絡めて作り雌を待ちます。そのころから、けたたましい
謡が始まり、必至になって、彼女を獲得しようと歌い込みます。彼女はOKのサインとして早速外側だけできた巣の
候補のうちから、お気に入りを一つ選び産座を鳥の羽根や獣毛などで敷き詰めて、1日1卵4〜6卵を産みます。
雌だけで抱卵から、雛の孵化後の給餌をして、17〜8日後に巣立たせます。雄はその間にも縄張りの見張りに専念し。
運が良ければ、他に用意した外巣で、別の雌にも繁殖をさせたりしています。テリトリーは、多くの外巣を作った
個体の方が、一つだけしか外巣を作らない個体よりも大きい傾向にあるようです。
白色無斑か少量の小さな斑があります。
巣
オオルリ
21.0 x 16.0mm
3銘鳥の一つとして有名なために、古くから飼鳥として飼育する風習が現在も根強く残っており、以前はそこらで
繁殖を目にすることができましたが、激減中の鳥です。関東へは夏鳥として5月のゴールデンウィーク直前に大挙して
南の越冬地より渡ってきます。大挙といっても彼らが群れを作るわけではなくて、三々五々個体同士の間隔は数百
メートルから数十キロと全体として大きな大河のように、同様に南から渡る鳥たちと共に大移動をしてきます。
渡りの途中で、休息のために市街地の公園などで、暫し羽を休め。私たちの目と耳を楽しませてくれます。
羽色のきれいな雄個体ほど早く渡ってきて、繁殖地の沢沿いへと向かい、縄張り宣言をしますが、昨年生まれの
幼体やあぶれた雄、そして雌は数日から数週間遅れてやってきます。こちらも巣作りから抱卵までを雌が単独で行います。
ほぼ1日置きに1卵ずつ4、5個生んだところで、あたためはじめ、孵化時期を揃えるようにします。
雛への給餌は雌雄が共同で行いそれまでは、テリトリー内でのソングポストでカラオケ三昧だった雄もカラオケルームの
方へはご無沙汰となり、3週間ほどの間雛を育て上げることに専念します。そんな頃合いを見はからったように最大の
天敵の人間が持っていってしまうのです。それでなくても、蛇に子育て中の雌も一緒に食べられてしまうことも間々
あります。
白色か黄白色の地に少量の小さな淡黄褐色斑があります。
巣
モズ
22.4 x 17.7mm
お馴染みのモズです。秋から春先にかけては、市街地の畑や荒れ地などの開けた場所を縄張りとして、雌雄別々に
暮らします。留鳥ですから春先には求愛給餌を始め、小さな枝が入り組んだ灌木の中に小枝などでお椀型の巣を雌雄共同で
作ります。産座はシュロの毛やススキ類の穂軸又は細根を集めて作り、4〜6卵産み。抱卵と育雛にそれぞれ2週ほどで、
巣立たせます。年に数回繁殖することが知られていますが、最初の子育ては、市街地近くの、常緑の木を選んで3月頃から
始め、1回目が終わると雌は雛を連れて縄張りから出て行き、雄も2回目以降は涼しさを求めてか、山地に入って営巣を
しているようです。
淡青色又は淡褐色無垢か小斑があります。画像左側の黒い部分は、欠けた箇所です。
チョウゲンボウ
39.9 x 31.6mm
ハヤブサの仲間では小さい方の鳥です。比較的尾が長く見えます。最近あちこちに、海岸や川沿いの崖地での繁殖から、
市街地のビルを崖と見なしてか、たくましく進出しています。もともと 巣らしい巣ではなく、崖地の窪みに産座の
クッション材も敷かず直に産卵をしますから、彼らにとっては、崖も人工的なビルのバルコニーも同じようなもの
なのでしょうね。もうご存じでしょうが、そもそも卵形といわれる独特な形状は、ちょっとした窪みでも尖った方を
中心に向けて数個円を描くように並べておくと、ひとりでに収まる形なっています。
そのうちに、都市部で普通に見られる猛禽類になってくれたら嬉しいと思っているのは、私だけでしょうか?
淡灰色地に赤褐色斑があります。
巣
(C)Lovecats
オオタカ
53.4 x 39.6mm
環境保護団体にとって御旗となるべき種として有名です。比較的バランス良く保存された里山に普通に生息する
猛禽なのですが、何故かその場合には、貴重種として扱われるという不思議な運命の持ち主です。主に野ウサギや
リス、キジなどを捕らえて生活しているのですが、希には人里に飼われる伝書鳩をもっぱら餌と決め込んで、せっせと
捕獲に精を出す個体もいて、鳩舎をもつ方たちにとっては、悩みの種にもなっているようです。
尾根筋など見通しの良い大木の針葉樹幹廻りに、針葉樹の枝を組み合わせて直径80センチほどの大きな巣を掛け、特別な
事情がない限り、毎年同じ巣を補強しつつ使うために、古い番の巣では、直径が1メートルにも達することがあります。
3、4卵を5週ほどで孵し、更に5、6週で巣立ちをさせます。
我が国では昔から、訓練された個体を使って、野ウサギなどを捕獲する鷹狩りに使われたり、クマタカなどと共に
弓矢の矢羽材として使われてきた経緯があります。
淡青色で目立つ斑はありません。
巣(イメージ)
フクロウ
49.6 x 40.5mm
なんて言ったってフクロウです。正面を見据えた瞳、何とも人間くさい風貌、愛くるしい仕草。いちフクロウファンと
して、改めて彼らにエールを送ります。留鳥ですから繁殖は早く、厳冬の時期から番形成の行動が見られ、3、4月には
2、3卵自然にできた樹洞または、地面の穴までも巣穴として利用します。産座には何も敷かずに、直に産み付けます。
雌だけで4週ほど抱卵し、孵化してからは、雌雄共に給餌し1カ月ほどで巣立ちます。巣立った直後の様は羽の編にも
触れていますので、ご覧になって下さい。
ゴロスケホッホーと聞きなしされる鳴き声はご存じでしょうが、実は繁殖期に入ると、「猫を紙袋に押し込んで」の
歌の文句ではありませんが、猫が踏みつけられたときにはかくもあろうかと思われるほど、けたたましい「ふぎゃ〜」
「ぎゅい〜」とも聞こえるすさまじい声で、鳴くことがあります。もうちょっと美声で鳴いてくれたら、もう非の打ち所が
無いのですが、天は二物を与えてはくれないものなのですね。
白色無斑でニワトリに似た感じですが、一回り小さく先もあまり尖っていません。
トキ
左(国産):61.7 x 45.0mm、右(中国産):72.0 x 42.0mm
上野動物園で撮影
正真正銘貴重種トキの卵です。左の国産と右の中国産では形がまるで違っていますね。国産の方も普通の卵形ではなしに
短径最大部分が中央付近に寄っていて、何とも不思議な形です。中国産はなんといったらいいのか、ちょっと間延び
していて、斑の模様も国産の方がメリハリがあると言ったら、贔屓目に過ぎるのでしょうか?
いずれにしても、日本の空に再び鴇色の主が復活することを願って止みません。
↓(株)データクラフト 素材辞典 Vol.98 より転載させていただきました。
ダチョウ:160 x 120mm
アレチシギダチョウ:42.6 x 32.1mm
ダチョウ
現存する鳥類中最大の種で、もちろん卵も最大です。殻も含めて重さは1280グラムありました。お尻部分に
アイスピックで1センチほどの穴をあけて、中味をボールにあけてみたところ。中味だけで1020グラムにも…
卵焼き、茶碗蒸しといろいろと工夫をして、食べ比べてみました。ニワトリの卵と比較して、黄身と白身も比較的簡単に
混ざり、全体に淡白で、出汁巻き卵の感じといったら、理解して頂けるでしょうか?ちなみに、ニワトリの卵は
サイズ大で、手元のものは 59.0 x 45.0mm 重さが 60グラムくらいでした。もちろんこの卵は、食用目的に
繁殖させているブリーダーの方からお譲りいただいたものです。
アレチシギダチョウは、南米に生息するダチョウですが、残念ながら画像が手元にありません。濃いエメラルドグリーン
はエミュに似た色で、多分形状も似たものなのでしょうね。画像は手に入り次第、アップさせます。
エミュの卵も手に入れたいと思っています。
卵寸法比較
50%に縮小
最後に、全部の卵の大きさを比較できるように、同じ縮尺(50%に縮小)で、描いてみました。
国産最小のミソサザイから世界最大のダチョウ(黄色のラインで描いた形)まで、同じ鳥類といっても幅が広いですね。
参考までになじみの深いニワトリの卵(青い線描)も、入れてあります。グリッドは20mm間隔で入れてあります。
これからも、手に入れ次第アップさせてゆきたいと思います。
▲トップへ戻る