ドゥルガ・プージャ 2007 その1
 〜様々な会場とドゥルガ様 編


コルカタの到るところに作られた、プージャのためのやぐらのいくつかを見て回りました。
とても全部は回りきれませんでしたが、それぞれがデザインテーマを持って建てられていて、ドゥルガの像にもそれぞれ特徴がよく出ていました。
会場の様子や取り組み、そのときそのとき聞いたことなどをお伝えしようと思います。


◎まずは、ご近所から

こちらは一番の近所のやぐらです。

ほとんどのやぐらやその場所は、
地区の人が祭りのための委員会を
作って、管理運営しています。

もちろんここも同じです。
他と比べても
ずいぶん大きな像です。

場面は、ドゥルガ様が
アスラ王マヒシャにとどめを刺す、
神話の場面だそうです。
多くの像では、ドゥルガ様を中心に、
その子とされる神々の像が、
左右に二神体ずつ並んでいます。

※道ゆく人々に聞いた話をもとに
書いているので、一般的な
神話の解釈とは異なっている
かもしれません。
さらに、Sarat Bose Road を渡った先に
大きな公園があります。

ここにはやぐらが建てられただけでなく、
突如遊園地が出現しました。
おどろいたのは、この遊園器具は
ほとんどが手動なのです。

委員会メンバーの子どもが、
回してお小遣いを稼いでいたり、
大人に指示している姿は
面白かったです。


◎少し南の方へ

Hazra Road 沿いのひとつ。
立てられる前は、愛媛県南予
地域に見られる牛鬼ような骨組みが
街中に現れて、
とてもかっこよかったのですが、
本当にバケモノの骨組みだったとは。
こちらはもう少し南、
Hindustan Park の近くで、
毎年きれいなデザインをすることで
有名なのだそうです。

今年はこのように、全体から
幾何学模様の光が漏れる
デザインです。


◎ここからはSelimpurというところの様子です

Selimpur地域のやぐらもデザインが凝っていることで
有名な場所なのだそうで、お目当ての場所への
入り口は、交通整理がなされており、
大変な行列でした。

ここでも、子どもの委員メンバーが大活躍しており、
怒鳴りつけるサイクルリキシャのおじさんを、
すいっと誘導していました。
とくにSelimpurで思いましたが、
イルミネーションがきちんと
連なっており、一体感があって、
街中がテーマパークのようです。
やっと到着した一番最初のやぐら。
柱や針の丸太には装飾が掘り込まれていて、
とてもかわいらしかった。

他の地区とはやはり雰囲気が違います。
お茶目にデザインされた
ドゥルガ様たち。
ライトアップも度が過ぎていなくて、
なかなかでした。
次のやぐらです。
洞窟の壁石に掘り込んだような
イメージでしょうか。

一つポイントは、このように
デザインされたドゥルガ様たちは、
信仰(お祈り)の対象には
ならないのだそうです。

その対象になるのは、一番最初の
もののように、きらびやかに
衣装などを着込んでおり、
顔つきも人間に近いものです。
左上では、手前にある小さいものが
それに当たります。
信仰のための像は、西か南を
向いているのだそうです。


次のやぐら。
ガネーシャが黒板を象頭の鼻で
つかんでいますね。
このやぐらのデザインテーマは、
タゴールと教育場面のようです。
黒板とチョークが
デザインアイテムとして
たくさん使われていました。

素焼きつぼの灯りで
ドゥルガ様たちの場所が囲われています。
場所が大きくないので、順番で並び、
入る人数を区切っていました。
その外では、シャンティニケタンの
青空教室の様相を、台の上で
演じていました。
子どもらが、このような場所でも
活躍しています。
このやぐらは「火」をテーマにしていたようです。
ドゥルガ様の降臨を迎える生演奏がちょうど始まり、
近づくと、少しおどろおどろしい感じがしました。
中のドゥルガ様たちは
このような感じ。
素焼きの灯りが、
生演奏を惹きたてます。
次のやぐらへ。

大分凝ったデザインが施されています。
ドゥルガ様へまっすぐ向いた牛の像。
ここには、様々なデザインの像が
並べられていました。
その一つです。
別のやぐら。
かわいらしくデザインしてあります。
やぐら全体はさほど大きくなく、
睡蓮の甕池や、飾られた絵など、
バランスがよかったように
思います。


◎集合住宅コンプレックスのお祭り


いろんなタイプのものがあります。

Kasbaという地域に大きな集合住宅コンプレックスに
知人がありまして、祭りの期間中に訪れました。
この巨大コンプレックス、そのコミュニティで
祭りのイベントを開催しており、一般的には、
外部の人間は参加していないようです。
ファッションショーやおみくじなどの
ちょっとした催しがありました。

このような場所には、祭りイベント開催のための
スポンサーがつくのがよくあるそうです。
ドゥルガ様たちの像。
かなり豪勢です。

西を向いているものが多いように
思ったのですが、この像は、
南を向いています。


◎Khidurpurの様子

Khidurpurという地域も、凝った
やぐらを建てることで有名だそうです。

この地域に住む人と、この祭り期間中に
偶然知り合い、そこの息子さんに
いくつものやぐらを
案内してもらいました。

こちらは家のすぐ隣にある
公園に建てられたやぐら。
少し足を延ばすと、すぐ次の
やぐらが建っています。

この日は最終日で、夜には解体されて
しまうのですが、かなり賑わって
いました。
凝ったものばかりでなく、
簡単に建てられた、
像を置くためだけのやぐらも、
道々でよく見かけます。
建物の一部に入り込んだもの。
地域の委員会ではなく、
個人宅に設置するおうちも
あるそうです。
これはちょっと凝っていますね。
縄で作った人形のようなもの。
ところで、
ガネーシャの左隣奥に隠されたように置かれている
布をかけられたもの、あれは、実は、
ガネーシャの妻だそうで、バナナの葉が
包まっているんだそうです。

全く知りませんでした。
ガネーシャの妻と言われた像は、
このように、舞台の下に独立して置かれている
ものもありました。
つぼと椰子の実のやぐら。
この二つの組み合わせは、「豊かさ」の
象徴なのだそうです。
中の像。
別のやぐらです。ここでは、
諸外国のデザイナーによるふくろうの
作り物が、たくさん並べられていて
面白かったです。

写真はその中のひとつ。
日本人によるもの、だそうです。
ドゥルガ様の像の上には、必ず
シヴァ神様の像が置かれています。

ここのやぐらでは、シヴァ神様が、
なかなか人間味のある様相でした。
コルカタの到るところに建てられた
やぐらは、デザインなどの表彰が
あるそうで、ここのものは、頻繁に
受賞しているそうです。

円錐台を逆さにした竹の天井の
デザイン、大きく張り出し、尖った
屋根など、洗練された雰囲気が
あって、印象に残っています。
中の像はこんな感じ。
受賞した地域には、記念のトロフィー、
そして賞金が授与され、この賞金は
一般的に、次年度のやぐら建設に
遣われるのだそうです。
授与暦を誇らしく並べるところが
いくつかありました。


地域によって、この祭りに際して志向するもの、デザインや訪れる人の雰囲気、そして街のまとまりが異なり、そういった観点で祭りを眺めるのも、なかなか面白かったです。
これらの像は、最終日(2007年10月21日)の夜、河へ流されます。


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