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初めての出会い

 今、まさに好期を迎えているヒラスズキです。狙い始めて十数年が経ちました。ヒラスズキ釣りをしている中で、印象に残った出来事をお話したいと思います。今回は、ヒラスズキに熱中し始めたきっかけとなった出来事についてお話します。


 それは、宮崎沖を台風が通過する9月の休日の事だった。激しい雨音で目が覚めた。外を見ると未だ真っ暗。「さて今日はどうしようか?」タバコに火を付け、どこか釣りになる所があるか頭の中で探し始めた。

 その頃の私は、休日に自宅に居ることはほとんどなかった。用事か病気でもない限り、釣りに行くのが習慣となっていた。とにかく家でじっとしている事が出来ないのだ。

 ヤマメの禁漁期も迫っていたのだが、昨夜からの大雨できっとかなり増水している筈。海も台風の影響で多分大荒れ、河口域も泥濁りに違いないと思った。色々考えたが、なかなかこれだという釣り場が思い浮かばない。

 とにかく現場を見て見ないと始まらないと考え、どこかフライが振れる湾内か港を探して見ようと、車に6番のフライロッドを積み込み、まだ暗い中、出発したのだった。

 ちょうど周囲が薄明るくなって来た頃には、海が見える海岸道路を走っていた。

予想はしてのだが、磯は荒れているというより荒れ狂っていると言った方が良いくらいの状態だった。いつもは、きれいな青い海は、今日は機嫌が悪く、茶色に濁っている。白い泡もたくさん浮いている状態だった。

 暫く海岸沿いの道を走っていると、雨も小降りになって来た。その頃コトヒキ狙いでよく釣行していた湾奥のポイントに車を止め、海の様子を見る事にした。

 普段は波が静かなポイントにも波が打ち寄せていた。暫く様子を見ていたが、さして大きな波が来る様子も無く、雨もちょうど小降りから止む寸前だった。

海も若干濁りは入っていたが、釣りが出来ない程の濁りには見えなかった。渓流釣りで言えば笹濁り程度といった所だろうか。

 とりあえず釣りをして見ようとタックルを準備し、いつものコトヒキポイントに降りたのだった。

 空を見ると、黒い雲が海の方から陸に向かってかなりの速さで流れている。まだまだ天気は回復する様子ではなさそうだ。

磯に降りると、目線が低くなり、沖の方からやって来る波が更に高く感じた。少し恐怖を感じながらも、大雨が来る前に、いつものコトヒキポイントを探らなければと少しあせりながら、リールからラインを引き出し始めた。

初ヒットはこんなフライ

 フライは、コトヒキに実績のある10番ドライフライ用のバーブレスフックに巻いた、黒のウーリーパッカーを使う事にした。

いつもは、波の静かな浅瀬なのだが、今日は、小波が立っている。

岸沿いからワンドの深みに向かって突き出ている波状岩の上を徐々に沖に向かって探って行く。

 フラットな浅瀬は、コトヒキがいればすぐに反応がある筈なのだが、さすがに今日は反応がないようだ。






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 とうとう岩の先端付近に来てしまった。先端付近の波状岩は一部が崩れ、その隙間から波が入り込み白いサラシが出来ていた。その様子を見て、以前大きなコトヒキは、サラシに付いている事があると聞いた事を思い出した。

 ポツリ、ポツリとまた雨が降り出して来た。とりあえずこのサラシの部分だけ探って戻ろうと、キャストを始めた。サラシの向こう側にフライを着水させ、リトリーブを始めた。

そして、フライがサラシを通過しようとした時だった。何かに引っかかったような重みがラインを通して伝わってきた。「あれっ、根掛りか?」竿を立てると、魚が首を振る振動が伝わって来た。

 次の瞬間に、沖に向かって魚が走り始めた。手元のラインを送り出し、更にリールからラインが出て行った。WFのラインが出て行き、それでも魚が止まらない。バッキングラインが少し出た所でやっと魚が止まった。

やはり、大きなコトヒキはサラシの中にいたのか?この重さからして、尺は確実に超えている筈である。

 ゆっくりとリールを巻き始めるとじわりじわりと魚が寄って来た。3度程魚が沖に向かって走り出したが、暫くのやり取りの後魚はおとなしくなって来た。そのうち、バッキングラインがリールに収まり、フライラインが数メートル回収された。

そして、ヒットさせた場所付近まで魚を寄せた時、また魚が走ろうとした。竿をためて、走りを止めようとした。その時に魚が水面を割って跳ね大きな魚体が見えた。「あっヒラスズキだ。」そう思った瞬間にラインはテンションを失ってしまった。

 竿先から元気なく垂れ下がったラインを見て、天を仰いだ。心臓がドキドキし、足が震えていた。

エラ洗いを見せた時のヒラスズキの大きな黒い目玉は、今でもはっきりと思い出す事が出来る。





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| 釣り::回顧録 | 2006/01/26, (Thursday) 06:27 PM | comments (0) | trackback (0) |