溶着と言うと、フライラインのコーティングをヒートガンなどで溶着してラインにループを作ったり、ラインをつないだりという記事が雑誌などで紹介されています。
実はこの記事、フライラインでは無く不織布を溶着するという記事です。
昔買ったコルサに似た材料があったので、昨年にフローティングミノーを巻いて見ました。5本ほど巻いたところで在庫は無くなってしまいました。
このフライ、磯や川のスズキ釣りで思ったより魚の反応が良かったので、ショップにこのフライに使うマイラーチューブを見に行ったのですが、思ったより高くてこれに変わる安い材料が無いか探していました。
先週はちょっと風邪をひいてしまい、日曜日と月曜日は久し振りに寝込んでいました。そして、この1週間ほど喉が痛く簡易マスクをしていました。使い捨ての簡易マスクは、白い不織布で作られています。
不織布の継ぎ目は、すべて溶着してつなぎ合わせています。
そこでひらめきました。
試しにはさみで切って、二つ折りにしてその端をライターの火で炙って溶かしてくっつけて見ました。接着面を引っ張って見ると以外に強度がありそうです。
表面の模様も魚のうろこを表現するのになかなか良さそうです。これは使えそうだと言うことで、不織布の溶着でフローティングミノーを作って見ようと考えて見ました。
まずは、クリップで不織布を挟み、クリップの上からハンダゴテを当てて溶かして見ました。この方法は、溶かす部分がクリップで見えず手加減がなかなか難しい。
温度が足りないと表面だけが溶けてくっ付かないし、溶かしすぎると接着面の際の不織布が溶けて穴が開いてしまいました。
なかなか均一な結果が出なかったので、ハンダゴテで直接不織布を溶かして接着する事にしました。
溶着部分を引っ張って強度を見て見たのですが、思ったより強度はありそうなので、この方法でで不織布のチューブを作る事にしました。
次に問題となったのは、不織布にあまり伸縮性が無い事です。マイラーチューブなどは、引っ張ると長くそして細くなります。この性質を利用してボディーのテーパーを作ります。ところが、不織布ではそれが出来ません。
そこで、フライのヘッドからフックのシャンク部分までをチューブ状にして、その後ろ側は、ボディーの芯になるバックアップ材の腹側に切れ目を入れてその中に不織布を挟みこむようにする事にしました。
これは、エギに布をかぶせる方法がヒントになりました。
出来たフライは、思ったよりいい具合に出来ました。
後は、不織布の耐久性の問題と、吸水した不織布がどの程度の重さになるのかがちょっと気がかりです。
早く実践で使って見たいのですが、まだ体調が完全ではないので大事をとって釣行を控えています。
とりあえず簡単に作成の手順を紹介して置きます。
まず、バックアップ材をはさみで整形します。これを包める大きさに不織布を切り出します。
不織布でボディー材を包み、溶着する部分をクリップではさみます。
そのままボディー材を抜き取り、溶着するラインに鉛筆などで線を引き、今度は反対側からクリップで仮止めします。溶着するラインより2ミリ程の幅を残し、不織布をカットして置きます。そして、この部分をハンダコテで溶かします。
再びボディー材を差し込み、ヘッド部のラインに合わせてクリップではさみます。そしてボディー材を抜き取り、先ほどの要領で溶着します。
上の写真が、溶着した不織布です。これを裏返して使用します。
フックシャンクの上に、写真のようにモノフィラメントのラインかワイヤーでずれ止めを作ります。
ボディーの腹側にカッターナイフで縦に切れ目を入れます。その後接着剤でフックに固定します。
裏返した不織布のチューブに先ほどのフックを挿入し、アイの根元をスレッドで固定します。
ボディーに合わせて余分な不織布をカットして、へらや爪楊枝などで、腹の切れ目に不織布の端を接着剤とともに差し込んで行きます。
テール材を束にして不織布に差しこみスレッドで固定します。好みにより色付け、目玉シールなどを貼り、完成です。
写真のフライは、ヘッド部だけに薄くシリコン充填材を塗って見ました。
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釣り::フライ | 2008/02/11, (Monday) 08:20 AM |
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