年賀状コレクションです。

2019

令和庚子
 暦は巡って新年号令和の子年です。
 ネズミはすなわち、牛の体を借りて、一番乗りしたずるがしこい動物として描かれています。
世知辛さといえば、今風の世相を真に体現していると言えるかもしれません。確かに機敏に反応することは必要かもしれませんが、そればかりで今年2020年が進んでいくとすれば、空恐ろしい年と言えるかも。
 2020年を終えるときに、いい年であったと誰でもが思えることが一番でしょう。
 ネズミモチとはネズミの糞に青紫色の実が似ていて、葉がモチノキに似るモクセイ科のイボタノキ族の樹木で、鑑賞価値はあまり高くないが、都市部の劣悪な環境にも育つことから、あちこちで見られる公園木の代表格でしょう。
 6月頃、卯の花と同じ頃に白い小さな花を一斉に開花し、遠目にも花塊が目立ち甘い香りを放ちます。よくハナムグリなどを集め、合わせたようにどこからとも無くミドリヒョウモンがやってきます。


「子」文字アウトラインのフレームに納めました。
2019

平成己亥
 亥年です。
 イノシシは、悪食ではなく、極めて植物食に偏った雑食とされます。我国には北海道を除いて全土に分布し、特に畠の作物を荒す被害が報告され、厄介な動物としての認識が高く、雄の成獣では70kg以上もの体重がある上、およそ時速45kmで走ることがあって、全力による突撃を受ければひとたまりもなく大人でも、はねとばされて大けがを負う危険性がある。
彼らの健康のため、寄生虫を落したり体温調節にヌタ場で泥浴びを行うが、その様が如何にも苦しみ足掻く様に見えて、ヌタ打廻る(のたうち回る)という言葉が生れたと言われる。
とここで、イノシシ画像をお見せしたいところですが、健康上の理由で、残念ながらお見せできません。
ゴメンナサイ

「亥」文字アウトラインのフレームだけです。
2018

平成戊戌
 戌年です。犬ではありませんよ。何故か十二支表記でこの字が選ばれてしまいました。ちなみに「戌」の字を漢和辞典で引いてみましょう。
 二つの意味があり、一つは方位を表すもの。西北(中国渡来のため北西ではありません)の方角。その二義的な意味合いから午後7時から9時を示す意味で、「時刻の戌」です。
 もう一つが本来の意味合いで刃物で作物を刈り、ひとまとめに締めくくる様、つまり収穫することを意味する漢字でした。ところが干支のイヌを表す漢字として選ばれてしまったために、元々の意味は忘れ去られた経緯があるそうです。

「戌」という漢字には、もともと犬という意味合いは含まれていないにもかかわらず、どうして選ばれてしまったのでしょうか?

 表記上の「戌」に関しては、ここまでにして、日本語で「イヌ」の名がつく単語についてです。一番目は警察官を表す隠語でしょうか? つまり回し者、間者、密偵などの意味で用いられます。次が接頭語として名詞の上に付いて、卑しめ軽んじる気持を表す。役に立たない無駄な。似ていても違った… 。と散々な言回しに用いられます。
画像の「イヌ」は、イヌムギです。即ち似てはいるが非なるモノのムギです。大きく実ったらムギとして食べられるのに…?
雑草扱いのまま路傍で元気に日を浴びています。
主役のウズラカメムシは、嫌われ者カメムシの仲間ですが、この種は臭くて嫌われるのでなく、穀物の稲などに付いて、実った所を片っ端から吸ってダメにしてしまうからです。
「戌」文字アウトラインに納めました。
2017

平成丁酉
 酉年です。何故かカレンダーの売行きも、普段は違うのに、今年は「鳥」が引張りだこに…
単純なんですね、とりあえずは鳥にしておこうかの方が多いのでしょうか?
 もちろん頑なに「空窓」ファンの方や「気象」が好きと言ってくださる方もいて、面白いです。
 鳥が1羽で「ア・トリ」などと言う駄洒落ではありません。2羽いれば「ニ・トリ」は、最近伸びているグリーンに 白抜き文字のサインで有名な家具・インテリアショップになっちゃって… 3羽寄れば「サントリー」さんかしら?
 と、駄洒落癖付けちゃあいけませんね。
 数年に一度大挙して平地にもやってくる冬鳥です。2016年冬も栃木県鹿沼市に公称10万羽とも20万羽とも言われた 大群が飛来した記録があります。今年もそれほどでも無いでしょうが、各地から飛来の報が上がっています。
 スズメ目アトリ科の鳥で、近縁にはお馴染みのカワラヒワがいて地鳴きの「ビ〜〜ン」という声はよく似ています。
 カワラヒワは尾が比較的短いので体長14センチほどですが、その尾を少し伸した感じの大きさです。
 群れで行動することが多く「キョッ、キョッ」と鳴き交しながら木の実を啄む姿が見られます。

「酉」文字アウトラインに納めました。
2016

平成丙申
 丙申年です。漢字では「百日紅」次々と花房からこぼれ落ちるように咲く様から名付けられたとされます。
 サルも滑り落ちる滑らかな肌をもつとされる本種ですが、実際は滑り落ちたりせず易々とよじ登ってしまうそうです。 誰の思いこみなんでしょうね。
 地方によっては、樹皮の更新する様や感触が似た、「ナツツバキ」や「ヒメシャラ」「リョウブ」なども サルスベリと呼ぶことがあるそうです。
 真夏日となりそうな朝、庭木の水遣りに出たとき目に入りました。ジャコウアゲハの♀です。垣根に沿わせて 植えていたウマノスズクサにいつの日からかオレンジ色の幼虫がいることは気付いていました。
 一週間ほど前、フェンスの網目に蛹化した姿も見ていました。今朝羽化したのでしょう。水遣りは、辺りを避けて 小一時間、終えてみる頃までじっと翅を乾かしているようでした。新しい命の誕生を見つけた朝は、何となく ルンルン気分です。
 色味は派手ではありませんが、見事なブロンズ色で好きな蝶で自宅で育つと良いなと、スズクサを植えたのです。

フレーミングの「申」文字アウトラインにとてもマッチしています。
2015

平成乙未
 未年です。「ヒツジ」ヒットは、「セイヨウヒツジグサ」即ちスイレンです。池底にある地下茎が伸びて成長し、 水面上に葉や花が出る抽水性植物と呼ばれる仲間。ハスと混同する人も多いが、ハスはハス科、スイレンはスイレン科。 水上に出る葉は、スイレンは水面までで円形に1本切れ目があります。一方のハスは水面より高く伸びる葉があり。 形も円形ながら切れ目はありません。花も同様にスイレンは水面すれすれに咲きますが、ハスは水面から伸びた茎先に 咲きます。
 スイレンとは間違っても「水蓮」ではありません。未の刻(午後2時頃)に咲くという事から「ヒツジグサ」です。 実際には、朝から夕刻まで咲いていることが多いですが。「睡蓮」とは、眠るように咲いた花が3回閉じることから 来ています。正確に3回なんだそうです。そして4回目には、散ってしまうと…
 ヒツジグサが繁茂する水面を覗き込むゴイサギ成鳥です。よーく見ると小魚を銜えています。
今しがたジャンプして捕えた魚で、まだ尾を振わせています。サギは銜えた魚を落さないよう嘴で持替えて、 数回足元の杭頭などに打付け、弱らせて頭から丸呑みにします。大きな図体のゴイサギにしたらこの小魚では 腹の足しにもならない気がしますが、数多く食せば…の精神で、同じ作業を繰返しています。

画像のフレームは、「未」文字アウトライン処理です。末広がり文字ですが、足元が3分割でチョッピリ痛々しい下辺になってしまいました。
2014

平成甲午
 甲午(きのえうま)です。
 似た読みの「ひのえうま」は、災いの多い年みなし、その年生れの人は炎のように激しいとされ。やがては井原西鶴「好色五人女」の主人公の一人「八百屋お七」が丙午生れだったと言われたことから、その年生れの 女性は気性激しく、夫を尻に引き、男を食い殺すと短絡的に信じられた迷信に由来するんだそうですが、1966年が 丙午だった年生れの出生率は25%も低下したんだそうです。昭和41年ですが、今でもそんな迷信が信じられているんで しょうか? 60年後に再び訪れてくるとき、どうなるのでしょうか?
 と、長々書いたのですが、この年は「きのえうま」で、全く他人の空似。
 「ウマノアシガタ」とは、キンポウゲの別名で、かつては八重咲きのものを「キンポウゲ」一重を「ウマノアシガタ」と区別していた時期もあったようです。キンポウゲ科の草本で花色から「金鳳花」とついたとあります。
 虫は「ベニモンマダラ」という蛾の仲間で、昼行性。7月頃高原や冷涼な地域の草原に局所的分布するとのこと。
この仲間は大陸で細かく種分化し、欧州ではコレクターも多いと聞くが日本ではあまり馴染みがない。 詳しいことはわからないが、ベニモンマダラも氷河期に分布を広げた大陸の忘れものなのだろうとのことである。
 富士山周辺の自衛隊演習場で撮影したものです。独特の色合で、好き嫌いは別れそうな個性である。

「午」の字の隷書体アウトライン
2013

平成癸巳
 巳年です。巳年生れの方は、思慮分別があり鋭い感受性と直感力持ち合せるとされ、きらびやかな印象が表に出る人とされます。
 「巳」を隷書で表すと少しバランスの悪い形になりました。ハガキフレーム上も少し落着きがないように見えます。 年号と干支を合わせた文字モジュールを左下に配しバランスを取ることにしました。
 賀状にヘビの画像も無いと考え、植物に訊ねます。お馴染みのヘビイチゴがヒットされました。花が付く早春は、 タンポポやジバシリなどキク科の草本が黄色の花を数多く付ける中、本種は数少ないバラ科の草本です。
 この時期、スプリングエフェメラルがこれまた様々見られますが、可憐な花に見合うのは、ビロードツリアブという キイウィの実を小さくして、レイバン様サングラスにけたたましく早い翅打と、なが〜い嘴を備えた昆虫(アブ)です。
 レイバンサングラスが如何にも悪そうに見える顔色を手助けして、ブイブイいわせるお兄ちゃんのイメージで、 実生活もヒメハナバチの仲間の幼虫や蛹に寄生する何でも吸上げ人生ならぬ、アブ生を貫きます。
 ところが実物は、とても可愛くホバリング上手でピタリと一点で停止飛行して狙い定めた花蜜を吸う様は きびきびとした小気味のよいものです。思わずシャッターを切るコマ数も多くなってしまいます。
2012

平成壬辰
 辰年になりました。語呂合せで「タツナミソウ」に来る生き物を待ちます。
 シソ科の草本で、シソ科特有の変形した花弁を穂状に多数付けその姿を波頭に見立てて付けられた名前です。
 主題のギフチョウが羽化する早春には、数少ない蜜源として珍重されます。カタクリやユキヤナギ、サクラなど 紫からピンク系の花蜜を好んで吸います。用心深そうに見えるギフも一旦安心して吸い始めると、無心に吸う姿が 見られるようになり、それを待って撮影を始めましょう。
 最近彼らの生息地は局所化し、カメラマンが集中してこの時期訪れる傾向も高くなり、そのような場所では、 彼らの落着いた姿をなかなか見られなくなります。必要以上に追立てられては、ビクつくしかなく、やがては そのポイントも安住の地でないとして繁殖できない荒廃振りが目立つようになり果てます。
 又蝶の撮影は、あまり好天は好ましくないことが多く、好天=気温の高まりから行動力が異様に高まり 必要以上に飛回る状態となります。落着いて蜜を吸ったり、休憩したり翅を広げて体温を上げる仕草が不要になる など、彼らの行動上は最適かも知れないのですが、翅を痛める確率も高くなり、異様な興奮状態はあまり長く 続かない方が良いと思います。

 フレーミングは、「辰」文字のアウトライン処理です。安定した良い形になりました。
2011

平成辛卯
 卯年到来で、「ウ」ウサギですが、ちょっと思い当らず苦肉の策、副被写体の植物に求め…  そこで卯の花に登場願うことにしました。
春、梅、桜と名花が続く後に控えしは、卯の花の数々。いわゆるウツギで漢字で「空木」と書き、中空の枝から 名が来ていることは皆さんご存じのことでしょう。旧暦4月を卯月と呼ぶのは、ウツギ咲く月という意味で 4月を代表する花です。
 留るは、ダイミョウセセリというセセリチョウの仲間です。この「ダイミョウ」の由来は、諸説有り、 前翅に目立つ白斑が、紋付の羽二重を着ているように見えるというもっともらしいものから、関ヶ原を境に そこより西に分布する個体には、後翅にも白斑があり、こと蝶の世界にも天下分け目の境界が存在するという 説などなど、調べれば調べるほど…各地で身近に見られ認識された種だという証なのでしょう。
 開翅して留る姿を見ることが多い種ですが、必ずしも開翅ばかりとも言えず、どんな理由から閉翅もしたり 開いたままのことが多いのか? 不思議なことが多くまだまだ蝶の世界も奥深いです。

 画像のフレーミングは、「卯」文字アウトライン処理です。
2010

平成庚寅
 干支の寅年に因んだいきものは、トラフシジミにお願いしましょう。
翅裏の模様がシマシマ、つまり虎模様だから付いた名前です。蝶ですから虎ほど猛々しくもなく、とても美麗な 種で、豹柄がもて囃されるのと似た感触なのでしょうか?
 先日ネットニュースに出ていた話題で、旧来豹柄と言えばなにわのおばはん専売特許と思いこんでいましたが、 ファッション通販の「ZOZOTOWN」が年間購入額からの都道府県ランキングを発表して、以外や大阪は2位で、 なんと堂々の1位は、埼玉県だという結果が出ていました。
 チョッピリ隠れるコートの中やバッグの中など直ぐには見えない箇所のおしゃれが主流で、やはりなにわとは 違った楽しみ方なんだそうです。
 脱線しました、寅の話でした元に戻します。 ほぼ日本全国に分布し、年2化(年に2回発生)しますが、 春に出てくる個体は、冬の寒さに耐え抜くのが困難なためか比較的数が少なめで、白地とトラフ模様褐色斑の コントラストが高くとてもくっきり明瞭ですが、6月頃の第2化個体は、数は多めでながらコントラストが低めの ほぼ一様に茶褐色のみに見える個体になってしまいます。蝶としては少数派の後翅に尾状突起を持つ種です。
 翅表のコバルトブルーは見事で、羽化したての個体のそれは、宝石の様にも見えます。

 画像のフレーミングは、「寅」文字です。
2009

平成己丑
 ウシの付くいきものから ウシカメムシを探しました。←これマニアックでしょう。(*^_^*)
 まるで正面のウシ顔にみえます。両肩に張出した突起が角のように見えるからだそうです。
 名付けた人はそんな思考回路で… だとおもいます。背中の白斑二つも目に見えてきますご丁寧に。
 ウシビタイと言う名の植物(ミゾソバ)がありますが、それの動物版と思って下さい。
 時として、命名に詰るときがあり、この虫を見た人が思わず口に出した言葉が「ウシ」だったのだろうと 勝手に解釈し納得することにしています。どうせ深く掘進めてもそれ以上も、以下も出てこないでしょうから。
 冬場でも日溜りで、冬ごもりを中断してお日様を浴びる姿が見られるカメムシの仲間です。
庭のアセビ蕾で番でしょうか? 見かけました。様々な動物食でもある彼らは、昆虫の卵などを吸引したりする姿を 見かけることもありますが、何かの卵でも見つけたのかな?
 夏場のそれとは違って今は動きが非常にゆっくりなので、じっくりと向合ってみました。
 ウシが2頭で、ウッシッシ〜なんて洒落は、亡くなった巨泉さんに任せて…

 画像のフレーミングは、「丑」文字アウトライン処理です。
2008

平成戊子
 鳥から離れ干支に因んだ題材をと試行錯誤を始めました。
 折良く干支は「子」です。少なくとも一回りは、干支を盛込んだ名前に注目して絵柄を選んでみます。
メイン被写体でなくサブがネズミがらみ。中国からの帰化植物トウネズミモチです。日本古来からの ネズミモチに比して、花数が多く最近はもっぱらこちらの方がもて囃されているようで、あちこち見かけるのは ほとんどがこの種です。害虫も付きにくく手入れが楽なのでしょう。
 白花の撮影適期は短く、風に煽られるだけで花先から痛み始め、花粉媒介に来てもらう昆虫類の 脚先につくかぎ爪も痛める原因です。
 植物の方は昆虫類に訪れてもらうことが目安で蜜線の位置を示すための花ですから仕方ないですね。 人のために咲いてくれているわけではありませんので。
 「子」文字アウトライン処理ですが隷書体では思い通りのラインが出ず、仕方なくそれらしい形状で 良いことにしました。妥協です。ハイ 
 後になりましたが、主題はキマダラセセリです。決して珍しい種ではありませんが、とても綺麗な模様の セセリチョウで、見かけると思わず写してしまう蝶です。翅模様もですが、つぶらな瞳が一番の チャームポイントでしょう。きちんと瞳が見える頭側に回り込んでの撮影です。
 ♀はもう少し地味な褐色になりますが、この絵は♂です。
2007

平成丁亥
 昨年のオシドリに続いて、今年はオナガガモの登板です。
関東では、数少ない雪日の翌朝歩いて行ける近所の公園風景です。風もなくぽかぽか陽気に日向ぼっこ? 仲睦まじいご夫婦のようです。
 2羽とも同じ方向を見ていますが、何に気を取られているのでしょうか?
きっと、四阿の屋根からドサッと雪塊が落ちた物音に吃驚したのでしょう。
寒いはずの早朝にも関わらず、温もりが感じられる絵になりました。

 「亥」字のフレーミングに納めました。
2006

平成丙戌
 デザイン上の革命(?)年です。
 四角額縁からの離脱です。←ちょっとオーバー?
 干支の「戌」に因んでイラストレーターで文字のアウトライン処理をしたマスクを使いました。
以降この手法でフレームづくりをしています。
 繁殖には未だ早いシーズン開幕直前のご夫婦です。
 奥方の関心は、衣裳のお手入れです。丁寧に一羽根毎に嘴で鋤を入れていますが、ご亭主はちょっと違うようです。 羽繕いももどかしく、奥方そのものにちょっかいを出して…いるのでしょうか?
なにか言いたげな横顔は、まるで何処にでもいる仲の良い人間のご夫婦のようです。
でも1時間以上もこの仕草を続けていましたよ。
2005

平成乙酉
 あまり出てくること無い被写体オナガガモの♂です。
 着水直前の絵は、習性上彼らはほぼ真っ直ぐに飛ぶため比較的容易に狙えるのですが、この絵は当に 飛立ち離水するタイミングです。
 頭を前後に揺する仕草を見逃さずにいればしめたものです。頃合を見計らって飛立つのでそのタイミングで 連写モードで写し留めます。
 安全策からすれば、横位置で水平方向に広い画角を利用するところですが、今回は敢て縦位置で構えて 水面の状態を広く見せる構図に拘りました。
 滴り落ちる水滴と上へ上へと向う気持を表現しています。構図的にはバッチリと決った絵だと思います。
これもデジタルが故の恩恵でしょう。フィルム時代では、こうまで無駄押しは、懐具合からもなかなか勇気の要ること でしょう。
 まあ撮れればバンザイなのですが。
2004

平成甲申
 如何にも寅さん映画での正月の空にも見える澄んだ蒼空です。
 いつも行く公園に一本だけ植るセンダンの実を狙うヒヨドリです。
 日が高く昇るとこういう日は積った雪から立ちのぼる水蒸気で もやが掛ることが多いため。早朝から 現場に立ちます。多分 1/4 程にまで減った実が程よいバランスで梢に付いた状態で、 とても撮影条件としては良いタイミングです。
 ヒヨドリはあまりこの時期徒党を組むことは無いのですが、数羽の家族群れで けたたましく鳴き交しながら遣ってきては、数粒の実を丸呑みにして近くの竹藪に逃込みます。
 時間をおいて体制を整えると、再び訪れ…を延々繰返し、丸坊主になるまで食べ尽します。
 今回の狙いは枝で食べる姿でなく、ホバリングで枝からは浮遊しつつ実を銜えた絵です。
 それらしい仕草が見られると、連写でひたすら押しまくるという、普段のストレス発散には最適とも言える 撮影法なんです。
2003

平成癸未
 撮影画像そのものではなく、コラージュネタです。
 元絵はもちろんAquirax が撮影した絵ですが、このように雌雄で並んでフレーミングできたわけではありません。
 コラージュのもとは、ケヤキの枯葉でこれは別でこしらえた「コレクション」のなかの「コラージュ」ページに 関連画像を載せています。
 見上げるシーンの多いサンコウチョウで、夏鳥として東南アジア方面から5月の連休明け後ころに Aquirax の棲む関東へ飛来してきて、街中の公園でも1週間弱見られますが、直ぐに繁殖地目指して飛び去ります。
 元絵は、住宅地にほど近い丘陵地で、見られた番です。小川沿いの見通しの悪いが極めて特徴のある場所で、 遠くから飛来してきても、一目で分りやすいポイントが選ばれているようです。
撮影者としては、彼らの目になって探すと比較的簡単に見つけ出すことができるようです。
 名の由来となった「月、日、星 ホイホイ」と聞き為される鳴声が特徴で、遠くからも直ぐにそれと分る大声で、 鳴き交す彼らを見られた沢もどんどん開発の波に追われ、二度と見られなくなったことがとても残念です。
2002

平成壬午
 大好物にありついて小躍りするウグイスです。いや、大好物を食していたときにライバル出現、慌てて飛出した姿と 言った方が良いのかも知れません。
 Aquirax がよそ見をしていた隙に、現れた侵入者に被写体の彼が見せてくれた姿で、咄嗟に彼の行方を追いかけ、 連写で撮影した内の一コマです。上手い具合に羽根のブレと尾羽の上下動が写し撮れました。
 一瞬ホバリング状態になっていたのでしょう。春めく陽気の中見せてくれた舞台での「貴重な一枚」になりました。 現像が上がってきて、Aquirax も小躍りしました。お邪魔虫さんに感謝です。
2001

平成辛巳
 籠脱けでしょう、コキンメフクロウが某畑地に出現と鳥友からの連絡に押っ取り刀で不案内ながらも現地へ。
結構早い時間帯でしたが、探すまもなく、長玉が数十台並んでいるポイントが見つかりました。
 仲間に入れてもらうあいさつを一通り済ませ、レンズ群の合間に割込ませていただきます。
とても人慣れした個体で、可愛がって育てられていたのでしょう。どなたかがバッタを投げると、直ぐに飛びついて、 むしゃむしゃでなく、一呑みで口に入れています。冬場のため小動物も少ないでしょうに、いつまでこのまま ここで暮せるのか? 心配がふと過ぎります。
 ひとしきり皆さんと揃ってシャッターを切りましたが、どうもしっくり来ません。
 皆さんお日様を背に順光の状態で撮影しているからでしょう、魅力的な絵になっているとは思えないのです。 ポジフィルムでの撮影ですから、できた絵柄は現像してみないと確認できない時代で、手応えが感じられるまで 写さねばなりません。
 現場の方々の了解を得て、そおっと裏手に当る場所へ移動し、梅の木を逆光で眺めるポイントから 撮影させてもらうことにしました。コキンメは大勢のカメラマンがいる方を向いて留っていますから。 ストロボを焚いて背中を撮影していましたが、光に反応して時折 Aquirax の方に振向いてくれます。
 気をよくしてフィルム2本ほど撮影して、帰途に付きました。

2000

平成庚辰
 リストのトップは、まだホームページを意識し出す前の年賀状からです。
 某フジカラーの既製写真年賀状用デザインの真似ッ子です。奇も衒いもありません。 絵柄は Aquirax といえば鳥です。当時新宿の行きつけカメラ店では、名乗るときに「鳥の Aquirax」で通っていたほどです。
 茶目っ気タップリ食いしん坊なヒヨドリが顔面真黄色でツバキの蜜を吸っている姿で、振向き様「はいポーズ」です。





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