帰り記号

(C) 6月1日 2012年 すちーぶ

わが麗しき恋物語

  • あたしは19で、街でも噂の、ちょっとした、不良で。ワリカシ美人の、部類だったから、ちやほや・されたわよ。眉をヒソメテイル、大人を尻目に、ずいぶん遊びもしたわ。人生なんて、ちょろいものだって。醒めた眼差しで。貴方があたしを好きと言った時、思わず笑ったわ。あんまり真面目で、コチコチになって、震えてさえいたでしょう。そんな男って、見た事なかった。それで、あたしも震えた。人生なんて奇妙で素敵なのって。少しだけ泣いた。安いアパート、暗い部屋。景気の悪い時代だって。減らないジョーク、言い合って、二人笑えば、幸せで。五年経ったら、あたしは止めてた煙草をまた、始め。貴方の浮気が七回数え、あたしも三回目よ。視線を逸らして、会話も減ったけど、何処でもそんな物でしょ。人生ってそうよ。退屈だって。思い出しながら。さもない毎日、半年が過ぎた。その日は・止まない雨。聞いた事も無い、病気の名前が、貴方の唇から。私は壊れた、空き缶みたいに。口を開けていただけ。人生なんて、意味が不明なの。イナクナルノ。貴方。白い煙が昇った日。空は何処までよく晴れて、自分でも疑うくらい、大声で。愛だったなんて誰もわからない。教えて欲しくない。とっくに忘れた、昔の日のこと。時々・浮かぶけど、微笑みが少し、混じっているなら、それでいいと、言うわ。人生って、なんて、愚かな物なの。後になって分かる。人生ってなんて、愚かな物。みんな後で気づく。

再生開始

 ↑ 2007年8月6日。黒川町において、自損火事。
某・新鋭画家(女性)から画廊を経由して購入した原画を燃やしてしまった
お詫びの言葉も出ないし、申し訳なく思います。