カトリック教会の典礼暦
カトリック教会では、伝統的にその一年が待降節(アドベントとも)から始まり、「王であるキリスト」の祝いで終わるサイクルになっている。グレゴリオ暦を使用している。
カトリック教会では典礼暦にしたがって、移動祝日などが決められ、典礼や朗読の配分、祭服の色などが決まる。基本的に以下のような構成になっている。
- 待降節 主の降誕を待ち、クリスマスを準備する期間であり、典礼暦の始まりである。主の降誕の4つ前の日曜日からクリスマスの前晩のミサの直前まで。
- 主の降誕 主の降誕を祝う祭日。12月25日。
- 聖家族の主日 主の降誕の八日間中の主日(日曜日)で、日曜日がない場合は12月30日。
- 降誕節 「主の降誕(クリスマス)」から始まり「主の公現」にいたる期間である。
- 主の公現 1月6日。日本を含む宣教地では、司牧上の配慮から1月2日から8日の間にある主日に移動する。
- 主の洗礼 「主の公現」の次の日曜日(主の公現が1月7日又は8日の場合はその翌日)
- 年間主日 年間主日といわれる日曜日は通常33から34あり、それぞれ「年間第~主日」といわれる。年間主日は四旬節に入るといったん中断する。
- 灰の水曜日 復活祭の46日前の水曜日
- 四旬節 復活祭を準備する時期であり、「灰の水曜日」から始まり「聖木曜日」の主の晩さんの夕べのミサの前に終わる。
- 受難の主日(枝の主日) 復活の主日の1週間前
- 聖なる過ぎ越しの三日間 「聖木曜日・主の晩さんの夕べのミサ」にはじまり、復活の主日の晩の祈りで終わる三日間。主の晩さんの記念は古くは火曜日に祝われる時代があったが、現行典礼ではこの三日間にイエス・キリストの受難と復活が凝縮され、一年を通じて典礼の頂点とされている。
- 第一日目 日没後に「聖木曜日・主の晩さんの夕べのミサ」が祝われ、日中に「聖金曜日・主の受難の祭儀」が行われる。「聖金曜日・主の受難の祭儀」はイエス・キリストが亡くなった午後3時ころを目安に行われるが、日本では信徒の便宜に配慮して金曜の夜に行う教会も多い。
- 第二日目 聖土曜日と呼ばれ、原則としてミサを含め一切の秘跡が行われない。伝統的に、黄泉にくだったイエス・キリストを象徴する日である。
- 第三日目 復活の主日は、復活祭やイースターとも呼ばれる。日没後に「復活の主日・復活の聖なる徹夜祭」が祝われ、夜明け後に「復活の主日・日中のミサ」が祝われ、日没前の晩の祈りで終わる。
- 主の復活の八日間 復活の主日から次の「神のいつくしみの主日」までの8日間。最大の祭日であり、主の祭日のように祝われる。
- 復活節 復活の主日から「聖霊降臨の主日(ペンテコステ)」までの50日間は、ひとつの祝日として、より適切には大いなる主日として、歓喜に満ちて祝われる。
- 主の昇天 復活後のイエスが弟子たちの前から天に昇ったことを記念。復活祭からかぞえて六回目の主日の後の木曜日が正しい日付けであるが、キリスト教国でない日本では信徒の都合を配慮して日曜日に祝われる。
- 聖霊降臨の主日(ペンテコステ) 主の昇天の木曜日から10日後の日曜日。(日本では翌週の日曜日。)弟子たちの上に聖霊が下ったことを記念。キリスト教会が誕生した日であると考えられている。
- 三位一体の主日 聖霊降臨の1週間後
- キリストの聖体(聖体の祝日) 聖霊降臨の2週間後
- イエスのみこころ 「キリストの聖体」の直後の金曜日
- 年間主日 中断していた「年間」の時期が再開する。年間は「王であるキリスト」の主日で終了し、降誕節から新しい典礼暦が始まる。
- 主の変容 8月6日
- 諸聖人の日 11月1日 固定祝日。すべての聖人の祭日。
- 死者の日 11月2日 すべての死者のために祈る日。
- 王であるキリストの主日 移動祭日。年間の最終主日。
他にもフランシスコ・ザビエルは12月3日など、聖人の祝日・記念日が特定の日にあてられている。一般的に聖人の祝日はその聖人の亡くなった日になっている。(聖人暦参照)