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目玉があると印象は良くなるが・・・ |
海のフライを巻く時、目玉を付けるか付けないかでフライの印象は随分と変わってきます。
私が、ヒラスズキ釣りで使う「フィッシュヘアーストリーマー」、あまりに単純なフライなので、目玉が無いと見た目がよろしくありません。
人に見せるのには効果的なこの目玉、果たして対象魚に対してはどの位効果があるものなのでしょうか?
海のフライをする人は知らない人はいない位、有名なレフティー・クレー氏。私も大好きな「レフティーズ・デシーバー」は、あまりにも有名なパターンです。
レフティー・クレー氏がある著書の中で、フライのアイ(目玉)の重要性を説いています。
魚食魚は、餌である小魚の目玉を標的に襲うからだと書いてあります。
魚の中には、敵を欺くために、目玉のような模様を持つ種類もいるという事からも証明されるというのです。
レフティー・クレー氏が実験した方法とは、同じフライパターンに目玉の大きいものと小さいものを作り試したと書いてありました。
結果は、目玉の大きいものにストライクが多かったと・・・。
でも、その結果から魚が、フライの目玉を攻撃しているとは言い切れないのではないかと言う疑問が残りました。
魚が獲物を襲う時、頭を標的にすると言うのは理解できます。魚を呑込むのに尻尾からではひれやうろこが引っ掛かるでしょうから。
エバやダツなどは、フライの後ろからではなく、わざわざフライの横側に回ってフライを襲うシーンを見る事が度々ありました。
前後にフックを付けたタンデムフックのフライの場合に、フロントフックにフッキングしている場合がほとんどである事からも推測できます。
私のフライは、目玉の付いていないフライが多いのですが、それでもフロントフックに魚が掛かる事がほとんどです。
もし、魚が目の玉を標的にしているなら目玉の無いタンデムフックのフライを見て、フロントフックばかりに魚が掛かる事は無いのではと思うのです。
そこで、ちょっとこんな実験をして見ました。
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タンデムフックのゴカイフライ |
リアフック近くにアイを付けて見た。 |
右の写真のようにタンデムフックのフライに、後ろのフック付近にだけ目玉を付けてエバを狙って見ました。
もし、エバが目玉を標的にしてフライを襲ってきたらきっとリアフックに掛かる筈です。
時期は、もう随分とエバの活性が落ちている12月の上旬と中旬の河川内で2回行いました。
リトリーブは、以前の「溜まりエバ」で書いた方法で、比較的ゆっくりです。
結果はこんなに明らかに出るとは思いませんでした。
1回目の実験では、18匹のエバをこのフライで釣りました。でもリアのフックに掛かった魚は0匹でした。
2回目の日は、11匹釣った所で目玉が取れて実験終了。リアフックに掛かった魚はやはり0匹でした。
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全ての魚がフロントフックに掛かった |
写真は以前、前後に目玉が付いていない状態で実釣した時の写真。 |
この結果から、エバは目玉を標的にはしていない事が推測できます。
では、どうしてフロントフックばかりにエバが掛かるのでしょうか?
多分、フライの動きが一番の要因のような気がします。
小魚の進行方向から食べる。これが一番引っ掛かりが無く、食べやすい筈です。多分餌の動きから瞬時に判断しているのではないかと思います。
あの魚を捕食するスピードを見ると、人間の感覚では、いちいち目の玉の確認など無理のようであります。確認している間に餌に逃げられてしまいそうです。
また下方から小魚を襲う時は、目玉の確認はさらに難しくなると思います。
もうひとつ、アイの大きさによって釣果に差が出ると言う事なのですが、これも疑問が残る結果です。
この前の実験の途中に地面を叩いてしまい、フライの目玉が取れてしまったのですが、同じように釣れ続けました。
もし、フライの目玉が釣果の大きな要因の一つであるなら、目玉が無くなった時点で、極端に釣れなくなるのではと考えられるからです。
私がよく小物釣りで使うガン玉シュリンプですが、これもよくバックキャストで障害物にぶつけ、目玉シールが取れる事がよくあるのですが、釣果に大きな影響が出るような経験は全く無いように思います。
ですから、目玉の大小で釣果に大きな差が出るとは考えにくいのです。これに付いては、また機会があった時に実験して見たいと思います。
この結果や経験は、河川、砂浜、磯などの流れのある場所での出来事です。
もしかしたら透明度の良い場所や、止水に近い状態であったりすると結果は違うものになるかも知れません。また、対象魚や魚の活性の具合によっても違うかも知れません。
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釣り::フライ | 2007/01/07, (Sunday) 03:38 PM |
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