海のフライフィッシングを始めた頃は、釣れそうな対象魚は色々と狙った。釣れそうな魚を探すなかで、サビキ釣りの対象魚は比較的簡単に釣れるのではないかと考えた。
お盆の帰省時、実家近くの港をのぞきに行くと、サバ子がたくさん沸いていた。子供の頃は、友人とよくこれを釣りにいった。のべ竿に浮き、糸、針、それとはさみをもって行く。釣り場に着くと他の釣り人が捨てていった餌を探す。
ここは、大阪などからも釣り人が来る為、結構釣り人が多いところだったので必ず餌は手に入った。まずその餌でサバを釣る。一匹釣れれば今日一日の釣りは保証されるのだ。なぜかというと、釣れたサバをはさみで三枚におろし、皮を付けたまま短冊状に切りそれを餌にするのだ。
サバの群れが接岸している時はこの方法で友人とわいわいしながら次から次へとサバが面白いように釣れたものだ。
サビキ釣りをしているおじさんの横で見ていると、アミの入った籠をポチャンと水面に落とすと、その籠の回りにサバ子が真っ黒になるぐらい寄ってくる。これだけたくさん魚が寄っていればフライでも必ずつれるだろと思い、買ったばかりの6番のフライ竿を持ち出し釣って見ることにした。
ラインは、タイプ?か?のシンキングライン、フライは、小さめの白いバックテールをウイングにしたフライだったと思う。白っぽいサビキに似たフライなら何でも釣れるだろと思っていた。ところが、あれほどたくさんのサバが沸いているのになかなか釣れない。
一時間たってやっと1匹釣れただけである。撒餌がないと駄目なのだろうか。堤防を先端のほうに移動しながらつりをする。ふと足元を見ると、先ほどのおじさんが捨てていったサビキが落ちていた。サイズ的にも使っているフライとそんなに変わりは無い。
そこで、ティペット部に枝をとって自分のフライの上にそのサビキをつけて釣果を比較してみる事にした。するとどうだろうか、先ほどほとんど釣れなかった魚がぽつり、ぽつりと釣れるようになった。
しかも、魚はすべてサビキの方に付いていた。サバだけでなくイワシまで釣れる。その時初めてサビキの威力を知った。
秋になると大きい河川の河口部は、小物釣りで賑わう。私は、ヤマメ釣りの禁漁を迎えた10月からは、近くの河口にエバ釣りに良く出かけていた。
ここの河口部は、上潮になると海からサッパの大群が押し寄せ、おじさんたちは、糸の先端に錘をつけ、その上にハゲ皮で作ったサビキをつけしゃくりながら引いてくる。すると面白いようにサッパが釣れるのである。
これをフライで釣れないものかと思い、いろいろと試した。ティペットに枝をつけ、色々なマテリアル(材料)で巻いたフライを複数つける。比較の為、はげ皮で巻いたサビキを必ずひとつはつける。この方法で何とかサビキに匹敵するフライを見つけようとした。
はげ皮を水につけると少し透明になる。そこで最初は、透けるマテリアルを使いフライを巻く。しかし、見事にはげ皮ばかりに魚が掛かる。サビキ仕掛けのおじさんのなかには、きらきら光るマテリアルをはげ皮と一緒に巻き込んでいる人もいる。
そこで同じように金色や銀色、パールに光るマテリアルをつけたフライをつくり試した。しかし、全くサッパは掛からなかった。
サビキがなぜそんなに釣れるのかは未だに分からないが、フライにはない、魚を魅了する何かを持っていることは事実である。
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釣り::その他 | 2003/06/14, (Saturday) 07:29 PM |
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