自作インジケーター


自作のインジケーター

 南国宮崎では、温暖な気候のお陰で里川ではヤマメの解禁当初からライズの釣りが楽しめます。

場所を選べば、シーズンを通してドライフライで釣りができます。

 でも、たまには浮きを使ったニンフの釣りも楽しいものです。ゆっくりと流れる浮きがスーッと水中に引き込まれる。それに合わせて竿を立てる。子供の頃によく遊んだ浮きの餌釣りを思い出させてくれます。

 浮きを使ったニンフの釣りに欠かせないのがインジケーターなのですが、ショップで買うと結構高くつくものです。

 私は、比較的浮力の強い発砲素材のインジケーターをよく使うのですが、岩にぶつけて壊れたり、枝に引っ掛けたりと結構消耗の激しいものです。

 市販のものと同等の使い勝手で簡単に作れ、しかも既製品より安価なものは無いかと考え付いたのが、流線型の発砲浮きを流用したインジケーターです。

 このタイプのインジケーターは、インジケーター自体の重さのせいで、近距離キャストでは、ループを作ったキャストは出来ません。ある程度フライラインを出さないと普通のキャストが出来ないのです。比較的開けた川で使用する事が多いインジケーターです。

材料

 材料は下記のものを使用します。

材  料
 右から、発砲浮き、グラスファイバーの棒、ウレタンチューブ
  1. 流線のシモリ浮き(写真右)
     今回のサイズは中。色々なサイズがあるので、用途に応じてサイズを変えても良いと思います。
  2. グラスファイバーの棒(写真中)
     浮きのトップに使う素材のようです。大抵、自作浮きのコーナーに置いてあります。サイズは直径1mmのものを使用しました。
  3. ウレタンチューブ(写真左)
     絡み防止チューブとして釣具店に置いてありました。径は0.6mmです。
  4. エポキシなどの接着剤
     

作り方

 作り方と言うほどのものではないのですが、とりあえず簡単に紹介しておきます。

  1. グラスファイバーの棒を切断する
     浮きの全長プラス5〜6mm程度の長さに切ります。切断はカッターナイフで傷を入れ、指で折ります。
  2. グラスファイバーの棒にテーパーをつける
     切断したグラスファイバーの棒を二つ折りにしたサンドペーパーの中でくるくる回し、切断部分の角を落とします。
  3. 接着剤で固定する
     エポキシ接着剤をファイバーの棒に付け、発砲浮きの穴に差込ます。これで浮き本体は出来上がりです。
  4. ウレタンチューブを切断する
     ウレタンチューブを数mmの長さに切断し、浮きの両端に突き出たグラスファイバーに付けます。
加工したグラスファイバーの棒
 先端を尖らす事で、ウレタンチューブを差込みやすくする
 完成したインジケーター
  下はティペットに装着した状態


使用方法

 装着方法は簡単です。予めティペットにウレタンチューブを2個通して置きます。そして浮きの両端にウレタンチューブを差し込むだけです。

 ポイントの水深に応じて、浮き下の調整も簡単にできます。また、浮きを外し、チューブをそのままリーダーの根元の方にずらしてしまえば、すぐにドライフライフィシングに変更できます。

 市販のインジケーターは、ティペットをはめる溝がありますが、別に無くても問題ありません。尺ヤマメや、50pぐらいのボラなどを釣って見ましたが、全く問題ありませんでした。

浮き釣りニンフのヒント

 浮きを使ったニンフは、キャストにはちょっとコツが必要です。しかし、浮き自体の抵抗のお陰で、比較的大きなメンディングでも、浮きがアンカーの働きをしてフライが大きく動く事はありません。

  1. インジケーター先行で流す
     インジケーターでアタリをとるためには、インジケーター先行で流すのが基本です。アップからアップクロスにキャストするのが理想です。それ以外のポジションからキャストしなければならない時はメンディングでインジケーター先行で流れるように調整します。
  2. フライとインジケーターは、同じ流れの筋に落とす
     ニンフ釣りも、ドライフライの釣り同様ナチュラルドリフトが基本です。
     フライとインジケーターは、なるべく同じ流れの筋に流します。しかし、底層より表層の流れの方が早いのが普通です。フライを流す層とインジケーターを流す層の流れの速さが同じなのが本当の理想なのですが、現実はなかなかそうは行きません。
     クロス気味に投げる程、そして流れが小さい程、フライとインジケーターを同じ筋に流す事は難しくなります。
     フライがうまく流れている時は、インジケーターが半沈みになり、表層の流れより若干ゆっくりと流れていきます。こういう時にヒットすると、きれいにインジケーターが引き込まれます。ツンツンと小さなアタリばかりでなかなか魚が乗らない場合はフライを疑う前に流し方を点検して見てください。
  3. 浮き下はあまり長くしない
     浮き下を長くすると、色々な弊害が出てきます。同じ流れにフライとインジケーターを落とすのが難しくなってきます。また、表層と底層の流れの差も大きくなります。
     出来れば、なるべく浮き下は短い方が釣り易いと思います。私の場合、浮き下は長くても1m以内です。活性の高い時は、これで充分です。