観光地図帖のあるページをパラリとめくると、【会津街道】という 文字が目に飛び込みました。なんとも響きのいい名前のこの街道は、江戸時代の参勤交代物流の道だったそうです。 そして、明治維新に於いては、薩長の維新軍が攻めのぼり、会津白虎隊 の悲話を産んだ歴史転換の道でもあります。(左地図の朱色道路)

 会津街道(南山通り、下野街道、会津西街道とも呼ばれた)は、会津若松市 から日光市今市までの南北130キロメートル、現在の福島県道131号及び国道121号 もこれに沿っています。浅草から会津若松までの会津鉄道も併走しています。

 南会津には、温泉地が豊富です。そのうちの一つ、 湯野上温泉の近くに、大内宿という 会津街道の宿場があります。現在でも江戸時代の雰囲気をよく残し、田園の中に茅葺き民家が整然と並んでいます。
湯野上温泉の近くには、大川(阿賀川)という渓流も流れ込んでいます。 「そうだ、この温泉に行こう!」

 震災後の『モヤモヤ、ウジウジ』の気持ちを吹き飛ばし、個人的な 【ケジメ】をつけるためにも選んだ二日間(5月14〜15日)の気ままな旅は、若松から南下の初日こそ曇りがちでしたが、 湯野上温泉での二日目は文字通りの五月晴れ・・・新緑濃紺の渓谷が冴え最高の条件。 (上は温泉地の山並み)

 朝寝・朝酒抜き朝湯だけのヘルシー・トリップでしたが、大内宿で 焼きたての岩魚が冷えたビールと蕎麦と一緒に出てきて、「俺を喰ってくれ」と言ってきた時は、 さすがに断りませんでしたね。