ターリバーン

「ターリバーン」という語はアラビア語で
「学生」を意味する「ターリブ」のパシュトー語における複数形であり、
イスラム神学校(マドラサ)で軍事的あるいは神学的に教育・訓練された生徒から構成される。
このため、ターリバーン構成員を数えるとき、一人なら単数形の「ターリブ」、
三人以上なら複数形の「ターリバーン」が用いられる。
ターリバーン(英語: Talibanまたは: Taleban、「学生」または「求道者」の意)、
または自らを「アフガニスタン・イスラム首長国と称するターリバーンは、
アフガニスタンにおけるデオバンド派のイスラム主義運動・軍事組織であり、
現在、国内で戦争(反乱、ジハード)を展開している。
2016年以降、タリバンの指導者はハイバトゥラー・アクンザダである。
タリバンは、イスラム教のシャリーア法の解釈を厳格に実施し、
多くのアフガニスタン人を残酷に扱ったことで、国際的に非難されている。
1996年から2001年までの統治期間中、タリバンとその同盟国は
アフガニスタンの民間人に対して虐殺を行い、16万人の飢えた民間人に対する国連の食糧供給を拒否し、
広大な肥沃な土地を焼き、何万もの家屋を破壊する焦土作戦を行った。
また、凧揚げや鳥の飼育などの趣味や活動を禁止し、宗教的・民族的少数派を差別した。
国連によると、アフガニスタンの民間人犠牲者の
76%(2010年)、80%(2011年)、80%(2012年)
がタリバンとその同盟者によるものである。
タリバンは文化浄化も行っており、
1500年前の有名なバーミヤンの仏像を含む数多くの記念物を破壊している。
タリバンのイデオロギーは、デオバンド派原理主義に基づく「革新的な」
シャリーア・イスラム法と、タリバンのほとんどがパシュトゥーンの部族民であることから
「パシュトゥーンワーリー」と呼ばれるパシュトゥーンの社会的・文化的規範を組み合わせた
過激派イスラム主義を融合させたものであると言われている。
ターリバーンは麻薬や鉱物の販売、外国からの寄付、市民からの徴税により多額の収入を得ている。
一説によると2011年の収入は3億〜5億米ドルに達し、そのうちケシ栽培による収入は約1億ドルと言われている。
ターリバーンは2017年頃からヘロインの生産も開始し、
現在はターリバーンの収入の半分(4億ドル)が麻薬の生産と輸出によるものという説もある。