コンドロイチン硫酸



コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)は、
動物体内にみられるグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種。
通常、コアタンパク質と呼ばれる核となるタンパク質に共有結合した
プロテオグリカンとして存在する。
特に軟骨の細胞外マトリックスにアグリカンと呼ばれるプロテオグリカン
として多く存在するが、皮膚などの結合組織、脳などあらゆる組織に広くみられる。

軟骨のコンドロイチン硫酸の多くは、
アグリカンというプロテオグリカンとして存在し、
ヒアルロン酸、リンクタンパク質とともに超高分子複合体を形成している。
この複合体は、軟骨特有なII型コラーゲンとともに、
軟骨の細胞外マトリックスを形成し、
軟骨の持つクッション作用に重要な役割をしている。
皮膚に多く存在するデコリンは、
コラーゲン繊維に結合し細胞外マトリックス形成の調節を行う。
その他の組織のコンドロイチン硫酸もプロテオグリカンとして、
多くは細胞外マトリックスの形成に関与し、
細胞接着、移動、分化、増殖など細胞形質の制御を行っていると考えられている。
脳においては、神経線維の再生を阻害する因子のひとつとして知られるほか、
神経細胞の回りを取り巻く構造であるperineuronal netの主要成分として
脳機能の可塑性に関与するとされる。
やや特殊な機能をするコンドロイチン硫酸としては、
マスト細胞やナチュラルキラー細胞の細胞内顆粒に存在するものなどもある。